■山行日:2018年07月15日(日)
■山:焼石岳
■目的:稜線美を愛でる
■ルート:中沼登山口(07:50)-山頂(11:30)-休憩-中沼登山口(15:10)
タクシーを予約した15時を10分遅刻して下山すると
水沢駅前のホテルまでは死んだように眠る
ホテルでシャワーを浴びても昼寝
さすが東北、夕方になると暑さは消え去り
涼しい風吹く街をふらりと歩き、タクシーに聞いたお店へ
なかなか古めかしいお店 和風酒場 恵
綺麗なお母さんが作る料理は全て手作り
三陸沖の鯖と、昆布で作ったしめ鯖は特に絶品だ
鬼剣舞と岩手誉、岩手の酒に肴が合って、ついつい飲みすぎて
最後は綺麗なお母さんと手を握り、ハグしてお別れ
なんで酔うといつもこうなんだか・・・
しかし岩手の酒も旨いな
翌朝はホテルにザックを預け、東北本線水沢駅へ
この駅には、いつか東北山行の際に寄りたかった
それも、夏の季節に立ち寄りたかったのだ
NHKラジオのプログラム「音の風景」を知っているだろうか
5分間のサウンドトリップ
リスナーのみなさんを音だけの世界にお連れします
そんなコアなプログラムを偶然車の中で聞いたのは
過去にオンエアーされた音源からの名作選だった
それがこの水沢駅の、みちのく風鈴だ
2001年に録音された音源は、列車の音、アナウンスに被るように
凛々と鳴る、約1,500の風鈴の音色、そこにお土産物屋さんの声
蝉しぐれ、グラインダが南部鉄を削る音、鐘の音・・・
そんな、みちのく旅情を掻き立てる音と静かなナレーションだけ
その5分間のサウンドトリップに、すっかり魅入られて
いつか、夏の日にこのホームに立ちたいと思っていた
でも、今日もみちのくらしさを感じない
じりじり照りつける陽射しと無風のホーム
悲しいかな、風鈴は揺れない
五月雨の 降残してや 光堂
神社仏閣の佇まいに深く惹かれる方ではないが
金色堂の神々しさには感銘を受ける
金色堂の奥を進むと、白山神社
みちのく寺にまで白山信仰が伝わるとは知らなかった
しかも立派な能舞台があり、毎年夏に薪能が開かれ
今年はなんと野村万作、野村萬斎だと
東物見と言う展望地
ここから望める北上川の向こうに浮くはずの早池峰は
やはり今日も影も見せてはくれない
夏草や兵どもが夢の跡
芭蕉が栄華の儚さを詠んだのは
この高館だったかもしれない
意外にも静かだった世界遺産を離れ、周回バスで駅へ戻ると
いいカンジに小腹も減って喉も渇く
さぁ旅ごはん
狙っていたのは、わんこそば
よく映像で見る、どんどんじゃんじゃんと声をかけられ
次から次へと盛られるのでは無く、茹でたてを椀に乗せ
一気に提供される「盛り出し式」のお店
一人前がこんなに?え?これ二段に重なってるよ!マジか、これ食べられるか?
なんて心配は杞憂に終わり、いろんな薬味で頂ける蕎麦は
想像をはるかに超えた旨さで、あっと言う間にたいらげる
昼ビールのほろ酔いと、お蕎麦の満腹感に浸りながら
電車で水沢駅まで戻る、と、ホームに降り立った、その刹那
ちりん、ちりりりーん
しゃりん、しゃりりりーん
南部風鈴が、ホームを流れる清風に、いっせいに揺れる
それは昨日の登山口の蝉しぐれにも似て、夏空に届きそう
その音色に立ちすくみ
きれいに揺れる風鈴に見とれていると
盛岡行き下り列車のアナウンスが流れる
はからずも、この駅に惹かれた「音の風景」が再現される中
見知らぬ旅行者と列車を見送った
初めてのみちのくの夏
イーハトーブの夏
夏の山旅は、透き通る音色の余韻とともに終わった
■RANKING■
家でクーラーの中にいたほうが良いような気がして全く山モードにならず
もうトシだし、このまま山歩きもしなくなっちゃいそうだなぁ
なんて思うこの頃でした。
でも、スロさんの素敵な記録を読ませていただいたら
俄然山モードになってきましたよ。
珍しく鉄道利用で動いてられるから、
このままそっくりいただくのもアリかななんて思ってもいます。
ありがとう。
山から下りて、わざわざなぜ水沢に?と思ったら
そういうことでしたか。
中尊寺、静かでいいですよね。
世界遺産になってもそこはやはり東北、というのでしょうか、
派手な観光地にはならないんですよね。
水沢駅・みちのく風鈴
知りませんでした。
行きには揺れていなかった短冊が、帰りには一斉に揺れて・・・
画像を見た瞬間に「おおっ」と鳥肌が。
スロさん、いい旅してますね~
夏物語、堪能させて頂きました。
みちのく風鈴、めっちゃ、すてき。
夏の駅のホーム、めっちゃ、すてき。
わんこそば、めっちゃ美味しそう(^-^)
平泉、中尊寺、東北のひとり男旅、でら、ちゅてき~。
おなかすいてきたわ。
イーハトーヴォを味わいたいなら花巻の市街地を歩いてみないと、、、さらに遠野の街に出かけないと 情景が浮かびにくいかも。
それこそ あんべ光俊「遠野物語」を口ずさんで釜石線で行かないとね。
「時刻表の地図を~指でなぞっていくと~♪心のアルバムに~しまってた懐かしい駅につく~♫」
中尊寺もね、いつか歩いてみたかったのです
ムダな華美さが無いのが、良い意味で東北だなぁと
私もそう思ってましたよ
風鈴の音は、ラジオで聞いたよりも涼しげで
一斉に鳴り始めたときは、足がすくみました^^
チューリズムのおかげで、よき夏旅でした!
50杯ですか?いやー、それはムリですよ
それに、おかわり持って横で待たれてると落ち着いて
味わえないかと、でもそれが本来の椀子なんでしょうね。
遠野物語は、同じく東北出身のシンガー佐藤竹善さんの
カバーで聞きました、なんとも心に残るメロディに
福泉寺、笛吹峠、古い曲り家、そんな言葉に郷愁を覚えます。
焼石歩いたくらいでイーハトーブだなんて、と呆れて
らっしゃることでしょうね、でもいつか必ず~(^^)