■山行日:2016年09月22日(木)-09月25日(日)
■山:北アルプス:黒部源流域
■目的:黒部源流を彷徨う
■ルート:24日(土):高天原山荘(05:20)-雲ノ平山荘(10:10)-水晶小屋(14:00)
山荘の朝食は無しで、5時に発つ予定だった
一晩中降り続けた雨は、間違い無く温泉沢を増水させているだろう
さて、どうするか?
思案しているところへ、早くも山荘を出ようとする若きソロ男性がいて
少し会話すると、昨日、稜線から温泉沢を下って来たそうだ
その彼によると、靴を脱いで無理やり渡渉したのが二箇所あったそうだ
そんな状況へ、一晩降った雨・・・止めようか
もし途中で断念となると、そこからどこまで戻れるか分からない
今回は周回をあきらめて、水晶へ、野口五郎へ戻ろう
まだ薄暗い中、雨に濡れた木道をひとり歩く
峠からは急登となり、いくつか木製のハシゴを超える
樹林の間から朝陽が差し始めると、西の空に薬師岳が光る
昨日からガスに煙ってた薬師、やっと、やっと見えたよ薬師岳
さらに、急登を進むと、少しずつ空が晴れ渡り
薄曇りではあるが、久しぶりの空に、思わず笑ってしまう
奥スイス庭園へと登る途中、開けた場所から赤牛が朝陽に輝く
あぁ、今頃は、野口五郎小屋で一緒だったAさんは
あの素晴らしい稜線を歩いてるんだろうなぁ
朝の青空の下、晩秋の冷気に震えながらも、胸を弾ませて
水晶岳から赤牛まで、夢のような稜線を歩く若き登山者を想う
それはちょっと悔しいけれど、どうだ、この雲ノ平の美しさ
薬師岳の優美な姿、水晶岳の大きさ
奥スイス庭園から岩々を乗り越えて、コロナ観測所に立つ
そして、ここから雲ノ平山荘を見下ろすと
伊藤正一さんは、なんと素晴らしいロケーションを選んだのだろうかと
もう、5回以上来ているのに、改めて感心してしまう
黒部五郎を背景に、すっくと立つその姿は
まるでこの台地が隆起した時から、そこに建つことが決められていたかのようだ
さて、時間はたっぷりある、何度も訪れた雲ノ平でも
初めての場所、祖母岳(ばぁだけ)へと、木道を進む
急に冷え込んだ空気は、もう晩秋を越えて冬のものだ
祖母岳とは称するが、ほんの小さな丘だ
その丘の上でダウンを着込んで、ベンチに寝っ転ぶと
うつらうつらと「黒部の山賊」の物語が思い浮かぶ
カワウソ、白狸、熊、河童
人を呼ぶ白骨
怪しげな山師、埋蔵金発掘者
オーイと呼ぶ声
そして四人の山賊たち
居そうだもんな、ここって。居るよ、きっと今も彷徨ってるよ
心地好い夢うつつを、寒さにブルルっと起こされて、山荘へと歩く
暖かな、そして居心地の良い大好きなテーブルでコーヒーを頂く
その居心地の良いダイニングに掲げられた
この6月、93歳で亡くなられた、伊藤正一さんの遺影
そこに添えられた、息子の二郎さんがしたためた追悼文
「伊藤正一という道」 を読んで、少し胸が熱くなる
その雲ノ平への想いと、この立派な山荘は残ります
我らの胸にも、この台地にも、永遠に残ります
山荘を後にすると、予報どおり雨雲が空を覆い始める
さぁ、水晶までひと登り、雨が落ちる前に歩こうか
祖父岳から、ゆっくりとガスが流れ、槍が顔を出す
チングルマの果穂がその風に揺れる
早く歩こうとしても、なかなか脚が進まない
いいさ
雨に打たれたっていいさ
こんな素晴らしい台地に立っているんだから
いちばん大好きな場所を彷徨っているんだから
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ルネオバ
at 2016-12-14 09:50
x
雨に祟られ続け、来なければよかった・・なんてしか思えないような
散々な山旅だったのかと思っていたら・・・何なの、この美しさは・・
いやいや、これはスロトレさんだからこそ感じることができた美しさなんやろな。
で、その想いをこんなにも感動的に表現されると、
黒部源流、雨が降ってこそ!
・・なんて、一瞬勘違いしてしまいそうになります《;~Д~》
で、この後最終日、感動的なクライマックスが待っているんでしょうね・・
楽しみに待っていま~す!・・・少しばかりのジェラシーと共に。。
散々な山旅だったのかと思っていたら・・・何なの、この美しさは・・
いやいや、これはスロトレさんだからこそ感じることができた美しさなんやろな。
で、その想いをこんなにも感動的に表現されると、
黒部源流、雨が降ってこそ!
・・なんて、一瞬勘違いしてしまいそうになります《;~Д~》
で、この後最終日、感動的なクライマックスが待っているんでしょうね・・
楽しみに待っていま~す!・・・少しばかりのジェラシーと共に。。
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slow-trek at 2016-12-16 01:05
ルネさん
いや、でも、ほんと雨はたいへんでしたよ
特に二日目の稜線の雨と風はヤバかったです
でも、その雨があったからこそ、そのあとの
風景が美しく映えたのかと・・・
感動的なクライマックス?ただの山行記録に
そんなモノありませぬわい(^^;)
いや、でも、ほんと雨はたいへんでしたよ
特に二日目の稜線の雨と風はヤバかったです
でも、その雨があったからこそ、そのあとの
風景が美しく映えたのかと・・・
感動的なクライマックス?ただの山行記録に
そんなモノありませぬわい(^^;)
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pallet-sorairo at 2016-12-16 14:12
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slow-trek at 2016-12-16 23:12
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ruonick at 2016-12-17 08:33
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slow-trek at 2016-12-18 23:54
by slow-trek
| 2016-12-13 23:09
| 北アルプス
|
Comments(6)