■山行日:2019年08月19日(月)
■山:尾瀬アヤメ平
■目的:高層湿原ハイク
■ルート:鳩待峠(07:00)-アヤメ平(09:00-10:30)ー鳩待峠(12:00)
世間一般の盆休みは昨日まで
でも今年の夏は初盆だの、なんだの、忙しい上に台風もあって
山のヤの字も味わっていない
皆さんが休み明けで、お仕事に向かう日に、ちょこっとだけ
尾瀬の涼やかな風を感じに行こう
せっかくの尾瀬行きなのに・・・
平日だけの特典である、鳩待峠駐車場へ乗り入れて、さぁ早速歩き出すぞって時に
最悪な事態に気付いてしまった・・・
なんと靴がないのだ、そう山靴が無いのだ
いや、まぁ、そりゃさ、なんだかんだ言っても尾瀬じゃないか
スニーカーの観光客だってたくさん歩いてるよ
でも今日はアヤメ平から富士見峠へ、そして未踏の八木沢新道で見晴へと
ちょっとロングなハイクをしたかったんだ
そう、去年の晩秋のアヤメ平周回ハイクが忘れられなくて
しかたなく、ニューバランスのランニングシューズで歩き出す
ん?あぁ天気?今日は午前中だけだねー
15時くらいからは間違いなく雨、雷も注意しないと
山靴がないと言う、出鼻をくじかれた上に
駐車場のオヤジ予報に、完全にモチベーションダウン
こんなシューズで雨なんて降ろうものなら・・・
いいや、もう
サクっと歩いて燧ケ岳の姿拝んで帰ろう
まだ陽のささない森の中へ
尾瀬エリアは、古くからの街道と、ハイク用に作られた新道
そのふたつに分けられる
でも、今歩いてる鳩待峠から富士見峠へ抜ける道はどちらでもない
この道は山と高原地図の記載は 「鳩待通り」となっている
鳩待通り
なんて牧歌的なネーミングだろうかと、自分ではお気に入りなのだ
その鳩待通り、もう所々、ナナカマドが赤くなっていて
ときおり西から、至仏からだろうか、涼しげな風が吹いてくる
70分ほどで視界が広がると、横田代だ
キンコウカの色が目にも眩しく美しい
この薄曇りでも、これだけ輝いて見えるんだ
アヤメ平の名称は、このキンコウカをアヤメと見間違えて付けられたものだ
しかし、すっきりと晴れてくれないものだ
せめて午前中に、至仏、燧ケ岳が望めないものだろうか
靴も靴だし、この天気だ、それに駐車場オヤジ予報もアレだし
もうこの時点で、ロングハイクはあきらめていた
薄曇りに、グチりながらも
横田代の美しさに、ザックを降ろして、しばし立ちすくんでいた
横田代から少し登り詰め、樹林へと続く木道を進と
何の展望もないピーク、中原山だ
ここで初めて先行者に出会う
ご夫婦で、元湯山荘まで行くと、何とも楽しそう
アヤメ平も初めてとのことなので
きっと、この先の美しさに感動されるだろうと思い
少し時間を空けて先を譲った
ところが、そんな気遣いもムダになる
ガスに包まれたアヤメ平
あ~ぁ・・・
ま、世間では今日から仕事なんだ
高原で涼しい風に吹かれてるだけ幸せじゃないか
そう自分を慰めて
ザックを降ろし、ベンチへ座り込んでいると
徐々にガスも消えて
もう草紅葉が始まった高層湿原が姿を現せた
なんだ
晴れるんだ
そうか、晴れてくれるんだ
ザックにも、帽子にも、ベンチにもトンボが止まり
空に浮かぶ雲も、もう秋の雲
まだ下界では、今日も33度なのに
尾瀬はすでに初秋だ
秋色の風を受け
まったりと早めのランチを頂いてると
いつの間にか燧ケ岳もくっきりと
お腹もいっぱいになると、ベンチにごろん
自分以外に誰もいないアヤメ平
トンボの飛ぶ姿と草紅葉
秋色の風に吹かれ、ひとりきり
帰路では、至仏もその姿を見せてくれて
周回のロングハイクは出来なかったけれどもう充分さ
ずっと山に行けなかった夏休み
一足お先に初秋の尾瀬ハイクで夏が終わる
そんな年があってもいいじゃないかと自分に言い聞かせ
ランニングシューズで木道を滑らないよう
そろりそろりと鳩待通りを下山した
■RANKING■
by slow-trek
| 2019-09-01 08:15
| 東北[南会津・尾瀬]
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