■山行日:2017年08月10日(木)-11日(金)
■山:北岳、間ノ岳、農鳥岳の縦走予定だった
■目的:白峰三山縦走だった
■ルート:広河原(07:00)-肩の小屋(13:45)
肩の小屋(06:00)-山頂-撤収-広河原(13:00)
実は南アルプスは歩いたことが無い
山歩きを始めて、奈良県は台高山系、大峰山系から
一気に北アルプスへと背伸びした結果
特に奥黒部を中心とした山域に惚れ込んでは
大阪から足繁く通っては、何度も歩いた
それは関東暮らしとなった今も同じで
東北の山へと、エリアは広がりつつあるが
未だに南アルプス未踏だった
そろそろ行こうよ
自分の中で、そんな声が聞こえた気がして
ほとんで思いつきで白峰三山縦走へと
深夜の東名高速を、大型トラックに挟まれて西へ
そして静岡から山梨へと、初めての奈良田に
車中泊で4時間たっぷり仮眠し、始発のバスを狙って行列に並ぶ
なかなかワイルドなルートで広河原へと揺られながらも
車窓から覗く谷の深さ、山深さに、どんどん惹きつけられて行く
バスから降りると、歩き始めは7時
前を行くグループが指差しながら「ほら、あれが北岳だ」
その指差す頂きは、遥か彼方に思えてしまう
釣橋を渡ると、緩やかなアプローチ、樹林が陽射しを避けてくれて
快適な歩き出しとなる
御池分岐を過ぎ、大樺沢に沿って歩く
豊かに流れ落ちる沢の水を浴びると、樹林の中は寒いほどだ
しかし
その、ありがたい樹林も過ぎると、真夏の陽射しは
容赦なく照りつけ、あっと言う間に全身汗びっしょり
渡障を繰り返しながら、沢沿いを詰めて行く
ふと、振り返ると、大きな山塊が目の前に聳える
思わず脚を止め地図を広げる
あぁ、あれが鳳凰三山なんだ
なんと存在感の有る山容だろうか
よし、次はあそこだ、あの山塊を目指そう
立ち止まっては、そんな事を思う余裕があったのもそこまで
二俣までの登りは、2年ぶりとなるテン泊装備を担いだ足腰には
どんどんダメージを与えて行く
バッドレスはガスの中、二俣は右へ進む
そこから稜線まで、どんどんガスに覆われるトレイルには
花が咲き誇り、ここは花の百名山だったと思い出す
あと少しだ、もう少しだ
久々のザックの重さに、息も絶え絶えな上に
小太郎分岐から肩ノ小屋は、すぐそこだと思い込んでいた
いや、距離にすると0.8キロ、そんなのすぐだ
なのに、なんだ、このキツさは
やっと辿りついた肩の小屋、ガスに煙り、テン場すら見えない
いや、それでもいいさ、どうにか着いたんだ
テン場を確保すると、先ずは缶ビールで一人乾杯
でも、どうよ、このガスガス
なんて、くつろいでると、目の前が明るくなった
これは、もしや!?
慌ててテン場から、稜線に登る
雲が、ゆっくりと流れては、青空が広がる
一瞬、小屋の向こう、北岳方向が覗くが、すぐに消える
ブロッケンだよー、映ってるよー
誰かの声にテン場は、騒々しくなり、登山者の歓声が上がる
そんな、束の間のプレゼントに酔いしれるが
結局は、なんにも見えていない
北岳周辺の山も、富士山も、なーんにも見えていない
「おいおい、もう終わり?これじゃガス観に来ただけ、だよ」
ガス観に北岳だ?
隣のソロテントのオヤジの詰まらない独り言はスルーだ
スマホでチェックしたヤマテンでは、明日は小雨、キリ・・・
暗い気持ちで、シュラフに潜り込む
翌朝、雨がフライシートを叩く音で目覚める
ため息と共に外の様子を伺うが、真っ白で何も見えない
雨にキリ・・・分かったよ、止めよう、こんなコンディション
縦走したって意味が無いよ
そう決めると、カラミでピークを目指した
まだ薄暗い中、静岡と山梨の高校生が、グループで稜線を行く
その後を追うようにピークへと
そこには女子高校生ワンゲル部員たちの歓声だけ
さ、帰ろう
隣のオヤジの言うとおりだ、ガスを観に北岳だ
テン場に戻ると、サクっと撤収し、降りは御池経由とした
少しでも晴れると、悔しい思いもするが、ガスは濃く
カメラを出す気にもなれないまま、御池小屋まで一気に下ると
そこだけは、ガスも晴れ、青空が覗くが、きっと上はガスだ
ここまでのトレイルとは別世界な小屋の喧騒を
ぼーっと30分ほど眺めながら休憩すると、さぁ下山だ
すっきりしない気持ちクサりながら歩いていると
樹林の間から、あの気になっていた山塊が覗く
次だ
次はそっちへ行くぞ!待ってろよ
北岳は、ガスを観に北岳で終わり、次は鳳凰三山だ、そう誓って
南アルプス縦走デビューは、撤退と言うほろ苦いエンディングとなった
■RANKING■
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GRI
at 2017-09-17 09:08
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天泊装備での登攀、お疲れ様でした。
ガスガスだったみたいですが、初日の写真を見てるとやっぱ3000m超えの迫力と北岳の魅力が伝わってきました。
南アルプス、仙丈と甲斐駒は登りましたが、北岳は登山口までのアクセス(バス・タクシー)や帰路の中央道の渋滞etcを考えると、どうしてもひるんでしまって未踏です。
白峰三山縦走とまではいきませんが、スロトレさんの「そろそろ行こうよ」を見習って行こうかな~ (^^)/
ガスガスだったみたいですが、初日の写真を見てるとやっぱ3000m超えの迫力と北岳の魅力が伝わってきました。
南アルプス、仙丈と甲斐駒は登りましたが、北岳は登山口までのアクセス(バス・タクシー)や帰路の中央道の渋滞etcを考えると、どうしてもひるんでしまって未踏です。
白峰三山縦走とまではいきませんが、スロトレさんの「そろそろ行こうよ」を見習って行こうかな~ (^^)/
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tukinobo at 2017-09-17 11:36
スロさんのブログは、本当にいつも完成度が高くて
ぐいぐいと感心しながら読めてしまうのよね。
どの写真も一枚一枚、すてきだわ、神秘的で山々しい。
ガスを観に北岳、タイトル面白いわぁ、
北岳でしか、使えないよね、それ。
北横岳でも、北穂岳でもだめ。
ぐいぐいと感心しながら読めてしまうのよね。
どの写真も一枚一枚、すてきだわ、神秘的で山々しい。
ガスを観に北岳、タイトル面白いわぁ、
北岳でしか、使えないよね、それ。
北横岳でも、北穂岳でもだめ。
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cyu2
at 2017-09-17 18:30
x
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slow-trek at 2017-09-17 23:11
GRIさん
確かに、GRIさんのエリアからだと
アプローチが大変ですよねー
そうそう、帰りの渋滞も^^;
まぁ、でもいろんなことを覚悟しなければ
遠征登山は出来ませんから
私よりも先にピーカンの北岳踏まれそうで・・・(^^;)
確かに、GRIさんのエリアからだと
アプローチが大変ですよねー
そうそう、帰りの渋滞も^^;
まぁ、でもいろんなことを覚悟しなければ
遠征登山は出来ませんから
私よりも先にピーカンの北岳踏まれそうで・・・(^^;)
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slow-trek at 2017-09-17 23:17
tukinoboさん
か、か、か、完成度ーっ?
何をおっしゃいまするやらん^^;
ブロガークィーンなYakoさんに
そんなこと言われると照れてしまいますわん^^
たしかにねー、このタイトル他では使えませぬ
でもね、隣のオヤジの一言である、このフレーズ
実はめっちゃ気に入ってて、この夏は何度も
一人でつぶやいてました(涙)
か、か、か、完成度ーっ?
何をおっしゃいまするやらん^^;
ブロガークィーンなYakoさんに
そんなこと言われると照れてしまいますわん^^
たしかにねー、このタイトル他では使えませぬ
でもね、隣のオヤジの一言である、このフレーズ
実はめっちゃ気に入ってて、この夏は何度も
一人でつぶやいてました(涙)
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by
slow-trek at 2017-09-17 23:22
cyu2さん
>ピーク踏んだだけ良いじゃないですか^o^
出ましたっ!
さすが我らの雨雲の女王さまならではの名言^^;
しかも「北岳にい北い」これ頂きました!
いっそのこと、北岳ランデブー登山で、大雨&ガス
でも振る舞ってあげましょかね^^
>ピーク踏んだだけ良いじゃないですか^o^
出ましたっ!
さすが我らの雨雲の女王さまならではの名言^^;
しかも「北岳にい北い」これ頂きました!
いっそのこと、北岳ランデブー登山で、大雨&ガス
でも振る舞ってあげましょかね^^
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at 2017-09-22 21:40
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2017-09-24 22:43
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by slow-trek
| 2017-09-17 00:14
| 南アルプス
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Comments(8)