■山行日:2017年03月19日(日)-03月20日(月)
■山:西吾妻山
■目的:スノーモンスター・ハンティング
■ルート:リフトトップ(09:30)-人形石(10:30)-西吾妻山(12:00-12:30)-リフトトップ(13:30)
前週に、西吾妻山を目指してグランデコから取り付いたものの
暴風と吹雪に、そそくさと西大嶺を撤退し逃げるように下山した
その翌日のことだ、山友たちは、同じ山で輝く青空の下
白銀に輝くスノーモンスターたちと戯れていたそうだ
その悔しさから、懲りもせずもう一度スノーモンスターに!
と、連休で蔵王を狙うも、そのエリアは悪天候の予報
かと言って、前週と同じグランデコエリアは、もう雪が溶け始めているとのこと
ならば!と選択したのが米沢側からの入山だ
天元台から西吾妻は、まだまだモンスターが生きている
待ってろよ、スノーモンスターたちめ
米沢市内から天元台スキー場へと、雪に囲まれた山道を進む
スキー場の駐車場は、意外と狭く、既に7割ほど埋まっている
ロープウェイで一気に高原駅に上がると、そこは真っ白な世界
しらかばリフト、しゃくなげリフトと乗り継ぐと
リフトの周りは背の高い針葉樹に囲まれ、別世界へと
そしてリフトトップでスノーシューを装着していると
西側のガスが一瞬だけ消え、飯豊連峰の稜線が浮かび上がった
一気にハイになり、ザクザクと樹林の中を駈けると
あっと言う間に、かもしか台展望台、モンスターたちが迎えてくれた
天気予報は、正午辺りが一番良かったはずだ
そのまま西吾妻山へ登るのも、もったいない、少し雪原を歩こう
展望台から東へと、なだらかな雪原をゆくりと進む
もしかすると、3年前の秋お世話になった名月荘が見えたら
そう淡い想いを馳せながら、ずんずん進む、高曇りではあるが
ときおり青空も覗く、風も無く、何よりも人が居ない
なんて素晴らしいロケーション、何と静かな時間
人形石まで、広い尾根を左右ジグザグに思うがまま歩いた
そこから望む東方向は、見渡す限り雪原が広がるだけ
とてもじゃないが名月荘までは見えそうにも無く
しばし、あの懐かしき小屋を想いながら西方向へと戻り始めた
シュラカブ
モンスター
雪原
目に入るもの全てが白、白、白
やっと数人すれ違う程度のBCスキーヤーたちのウェアが
目に痛いほど刺激的に見えてしまう、それほど白一色の世界が広がる
展望台から鞍部へと下り、西吾妻へと登り返す
その斜面には、これまで見たモンスターよりも凶暴そうなヤツらばかり
ひとつひとつを見ていると、その造型には、まるで表情があるかのようで
こいつはヤバい、こいつは弱そうだ、こいつは人が良いかも
なんて、表情を見ては怖がったり、笑ったりしながらザクザク進む
梵天岩を過ぎると、ややフラット、やっと南の方、白く霞む彼方に
薄っすらと磐梯山のシルエットが浮かぶ
さらに進むと、西には、先週撤退した西大嶺、足元には桧原湖も見えた
老齢の山スキヤーに、ピークはどの辺りか聞くが、笑われてしまった
「何メートル積もってると思ってるの?ピークなんて分からないよ」
しばし西吾妻の山頂に立ち、周囲の山並みを眺める
このエリアの上だけ青空、その他の山は高曇りで、期待していた展望は無い
特に期待していた飯豊連峰は今や影すら見えない。それでも3年前歩いた
一切経山、家形山から東大嶺への稜線が、こうして目で追って分かるのは嬉しい
さぁ下ろうか
もう一度モンスターたちの間を縫って下りきる
スノーシューを外して、リフトに乗る前に振り返ると
樹林の間に、どうにか飯豊の稜線が見えた
しゃくなげリフトを降りたところ、ロッジ風の小屋で休憩とする
リフトの係員さんと思える方が小屋の暖炉にくべる薪の炎に暖まる
その煙の香りに、どうしようも無いほどの郷愁を覚える
ここは、どこだったっけ、山形だって?遠いところまで来たものだ
下山すると、山間にある老舗の旅館で温泉を頂く
歴史ある湯煙は素晴らしく、雪に囲まれた宿に泊まりたくなった
麓まで下り、街へ戻ると、楽しみにしていた米沢ラーメンをすする
素朴ながらも味わい深い中華そば
見知らぬ土地の見知らぬ人たちから聞こえるいくつもの「んだ。」
山小屋の焚き火の香り、老舗旅館の湯煙
そしてやっと会えたモンスターたち
まだ春遠き山と東北の旅に
ひとしきり酔った山行となった
■RANKING■
by slow-trek
| 2017-05-18 00:03
| 東北[北上山地・奥羽山脈]
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