荒野にて

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2017年のビートルズ

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九段下から千鳥ヶ淵の坂道を歩きながら
1966年の夏、同じようにこの道を進む群衆を写したシーン
浅井慎平の写真集「ビートルズ東京」の一枚を思い出していた

ビートルズ世代とは少し離れてる自分たちにとって
武道館はもちろん、彼らのことは、伝説でしかない

唯一リアルタイムで彼らと同じ時代にいたと思えるのは1980年だ
その年、ジョンレノンが数年ぶりとなるアルバム 「ダブルファンタジー」をリリースし
毎日のように、Starting over を聴いていた、ある冬の朝
彼が銃殺されたとの悲報が全世界に広がった

ジョンのシャウトするスタンドバイミーをバックに流れてたニュース映像
その後ダブルファンタジーのLPに付いた「追悼」の黒い帯
数多のロック雑誌の表紙を占めたジョンの写真たち

あの時だけがリアルタイムでビートルズと繋がっていた
あとは全てが、過ぎ去った伝説だった




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その伝説に触れたくて、2015年ビートルズ来日50周年記念企画であった
ポールマッカトニーの武道館ライブ、たった一日だけ、あの伝説が蘇る日
これだけは、絶対に行くのだと決めていたが、行けなかった

元々ドームライブには、全く興味が無く、いくらポールマッカトニーでも
あんなだだっ広い場所のお祭り騒ぎに参加する気はさらさら無かった
しかし、場所が武道館なら別だ、何故ならあの武道館だからだ
でも、もう二度と無いだろう、あれは一夜限りの夢だったのだ

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と、あきらめていたが
誰の気紛れなのか、何の偶然なのか分からないが
もう一度日本で、武道館でのライブが実現することになったのだ
今度こそ、仕事だろうと何だろうと、全部やっつけて行くのだ
何があっても武道館に行くんだ
そう思い詰めながら、ついにこの日となった

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2017年4月25日

肌寒い向かい風の坂道を過ぎ、群集に紛れながら田安門を抜けると
そこに武道館がある
今まさに、ここに居る、ビートルズが居る

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東スタンド 1F 13番
まだか、まだなのか、チケットを握りしめる
もう開演を20分以上過ぎている
会場に流れるBGMがサージェントペッパーズのイントロに変わる
そのギターサウンドに鳥肌が立つ
アリーナは総立ち
大きな日の丸が揺れる
出てきた、ポールだ、ポールだ、大声を張り上げる
ポールだ、本当にポールだ
生きたビートルズだ
なんだこの稲妻のようなイントロ

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ア・ハードディズナイトで始まり
二曲目は不意打ちのようにウイングス時代のジェット
一万一千のオーデイエンスは、ぐいぐいと惹きこまれて行く

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ロック界のレジェンドと称されても、もう74歳
はっきり言って声は出ていない
途中、コーラスに助けられながらも怪しいパートもあった
しかし、ポールだ、ポールマッカートニーだ
あの細いカラダのシルエット、左利きのバイオリンベース
ときおり見せるチャーミングな仕草
少年の頃から、何度も何度も記録フィルムで見た、あのポールそのものだ

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We Can Work It Out
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
Being for the Benefit of Mr. Kite
Back In The U.S.S.R.
Lady Madonna
Golden Slumbers

十代の頃、胸を熱く焦がしながら聴き込んだナンバー
その、いくつもが武道館で蘇る

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中でも、アコースティックアレンジでプレイしたLove Me Doに続いて
ポールのボーカルでは日本初となる I Wanna Be Your Man

ステージ中央に集まってのコーラスアレンジ
このナンバーが、一番楽しそうにロックンロールをプレイしてるように観えて
その姿は何だか、今も彼がバンドを愛しているんだ
ビートルズを愛してるんだ、と
そう思うと、涙が流れてきた

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Let It Be
Hey Jude
そんな泣き所なナンバーでは
ただビートルズと一緒に武道館にいることをかみ締めていた

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きっとI Wanna Be Your Manで泣いたのは自分だけだろうな

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半世紀もプレイされて来たイントロのリフ
30年間、聴き続けているナンバー
初めて買ったシングルレコード
今も実家のレコード棚に眠るアップルレーベルのホワイトアルバム

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時空を超えて蘇った曲たちは
今も胸を熱くして
今夜は眠れそうにも無い

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アンコールは
Golden Slumbers
Carry That Weight
そして 「The End 」
あの名盤、アビイ・ロードのエンディングで幕を閉じた

一夜限りの夢を再現してくれた最高のステージ、日本武道館は
来る東京オリンピックへ向けて大規模改修工事のため閉鎖となる

武道館のビートルズは
半世紀の時を超えて、この日 「The End」 となった


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by slow-trek | 2017-04-26 23:10 | 断想 | Trackback | Comments(2)
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Commented by oris at 2017-04-27 20:53 x
ポールの武道館公演に行かれていたんですか・・・ いいですね。(*'▽')
最後のチケットの写真をよく見るとS席80000円って8000円じゃないんですね。( ;∀;)
実は私も時代遅れのビートルズフリークで20歳の頃は毎日、ビートルズを聴いていました。
ジョンレノンに憧れて、同じような丸メガネまで掛けていたほどです。(*^^*)
それと、リバプールにも行ったなあ・・・
ポールは確か2002年かな?大阪ドームで観ましたよ。
生でHey Judo やLet it beを聴いた時は鳥肌が立ちましたね。(#^^#)
I Wanna Be Your Manに琴線が触れましたか?
確かこの曲はストーンズのミックとキースの目の前で作った曲ですね。
それに触発されてミックやキースも曲作りを始めたんですね。
ジョンとポールでギターを弾きながら10分くらいで勢いで作った曲って感じですね。
って、マニアックな話ですが私はホントにビートルズが好きだったんです。
今でもたまに古いCDを引っ張り出してビートルズを聴くとあの頃の思い出が蘇ってきます。
ロックっていいですね!
Commented by slow-trek at 2017-04-28 22:30
orisさん
ふふふっ。。。でしょうねー、そうですよね
何ていうか、その、ビートルズ好きな人って
何だか分かるのです、orisさんって、まさにそのまんま^^
ジョンの丸眼鏡も、めっちゃお似合いな感じですよ
大阪ドーム行かれたんですね!私はどうもドームは
ちゃんと聴けないような気がして避けています
I Wanna Be Your Man は、この日一番ロックンロール
してたナンバーでして、ストーンズも、もちろん何度も
記録フィルムで見た1966のリンゴのボーカルも、走馬灯のように蘇ってました、ポールのキッズっぷりが何ともね
胸にズキュンと・・・
orisさんとも、いつか、そんなお話をしたいものです^^
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