荒野にて

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45分間の奇跡 冬の上高地

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■山行日:2017年02月18日(土)
■山:上高地
■目的:神々の峰
■ルート:ゲート(09:30)-田代池-河童橋(12:00-13:30)-ゲート(15:00)

雪山に飢えている

かと言って週末二日間、がっつり山に入れはしない
そんなもどかしさから、せめて穂高を眺めに行こうかと
行き先を福地山とした

しかし・・・

夜明けの上信越道で、無性に眠くなり
ちょっと休憩して眠気を覚まそうと
SAで車を止めた瞬間寝オチ
 
ロスタイムとモチベの低下により
行き先を上高地へと変更した




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予報は午前中は曇り、午後から晴れ、そして雨
一瞬でいいや、穂高が拝めるのなら

釜トンネルの入り口では、近隣の宿からの送迎車が何台もあり
これまで見たことが無いほどの人数がワサワサしてて
これまたモチベが下がる、でもきっと大正池を過ぎるとバラけるさ

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昨年の山の日に合わせて開通した上高地トンネルを抜けると
完全なスケートリンクな林道の向こう、今年初めての穂高

やぁ、来たよ今年も
なんだか機嫌悪そうだね、曇ってるから仕方ないか

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大正池ホテルのトイレ待ち行列を過ぎると
それまでの喧騒があっと言う間に消え去り、いつもの静かな上高地
雪に埋まる田代橋遊歩道に沿って進むが、空は相変わらず曇天

なんだか、その空の色の鈍さに、今日は失敗だった感に包まれて
もうさっさと梓川まで歩いて帰ろう

そう本気で思い始めた

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上千丈沢を越えても、八右衛門沢を過ぎでも
穂高は姿を消し、歩きはじめよりも空は暗くなる一方だ

あぁ、もう、止め

河童橋までも、行く気も失せ、梓川沿いの木陰で風を避け座り込む
同じように諦め顔で、とぼとぼと引き返して来るハイカーたち
皆さん、空模様と同じで、情けない表情でお互い目も合わせない

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同じ冬の風でも、空が暗いだけでこんなにも冷たく感じるのかと
ブルブル震えながら、天候に毒づいて、もそもそとランチ
水餃子スープはカラダを暖めてはくれるけど、心はしょんぼり

ランチも終わると、ダラダラと片付けて、のろのろと帰ろうか
と、腰を上げたその時

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光った
空が、空が突然光った

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その辺に転がる道具を、ザックに投げ込むと、慌てて駆け出した
河童橋だ、穂高へ近付くのだ、今だぞ、きっと今だけだぞ
 
カメラ片手に、必死の形相で走り抜ける姿に
下山しかけたグループが、何事かと振り返る
と、振り返った、その空の青さに歓声を上げながら
全員一気にUターンし、こちらへ向かって駈けて来る

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ヴァァーっ
ヴぉーっ

みんな意味不明な大声を上げながら、走る走る
なんだ、何なんだ、この妙な競争は

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青空競争の勝者は、そこに居合わせた者全員だ
曇天にも負けず、粘ってた者たちの勝ちだ

まるで、同じチームで戦った仲間たち
今にも肩を叩きあいそうな笑顔

さっきまでの鈍い色は消え去り
雲が、風が、空が、上高地を輝かせて行く

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穂高の上だけは、雲と雪煙が流れているが
そのシーンが、穂高の神々しさを際立たせてくれる

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きっと今、この瞬間
神が降りてきたんだ

しばし、カメラを手に、この奇跡的な冬の上高地に酔った

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帰ろうと腰を上げてから、45分
奇跡の空は、再び鈍い色の冬の雲に覆われ始める

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あきらめていた穂高
これだけ眺めることが出来たら十分だよ

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アルピコタクシーは、釜トンネルに15時までだったことを思い出すと
(長時間稼動による事故防止のため規則が厳しくなったそうだ)
雲がかかり始めた穂高を背に、足早に歩き始める

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それでも焼岳方向は、まだ空も青く
何度も何度も立ち止まってしまう

さぁ、もういい加減に帰ろう

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奇跡の45分

それは、初めから青空だった日の、冬の上高地よりも
ほんとうに、その瞬間だけ神が降りてきた

まさに神降地
その瞬間を感じた、ちょっと特別な日となった


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by slow-trek | 2017-03-08 00:09 | 北アルプス | Trackback | Comments(6)
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Commented by pallet-sorairo at 2017-03-08 10:04
ケショウヤナギが赤く色づいていますね?
最後の写真のスロさんの得意顔ったら!
思わずうふふと声あげて笑ってしまいました(^^ゞ
Commented by oyamasuki_Y at 2017-03-08 20:01
はじめまして、タイトルがいいなぁ思いコメントさせていただきました

そうなんですよね、山は気まぐれ
いつ晴れていつ曇るかなんてさっぱり分かりません
天気予報が雨でも晴れたり晴れ予報で曇ったり・・・
だから何度も通うのですよね

私も何十回通ったか分からない上高地
ですがこの風景は季節問わずいいですね
冬は特に雪が映え来られた方を楽しませてくれたことでしょう
私も来年は向かってみることにします
Commented by slow-trek at 2017-03-09 21:46
palletさん
そうなんです、ケショウヤナギの赤が
雪景色に映えて美しかったですよー

>最後の写真のスロさんの得意顔ったら!

てへへっ
いや、もうね、めっちゃ嬉しくって^^
Commented by slow-trek at 2017-03-09 21:49
oyamasuki_Yさん
はじめまして
そうそう、気まぐれですよねー
自然相手のことだから仕方ないのですが
その気まぐれな空模様に一喜一憂してる
人間って、可愛いものですよね^^
冬の上高地、ぜひともお楽しみくださいませ
Commented by スーちゃん at 2017-03-13 08:09 x
読み進めながら・・・穂高が見えた瞬間、私も鳥肌が立ちました^^ その瞬間のすばらしい感動が私にも伝わって、おすそ分けをいただいた気分です。よかったですね~!
それにしても雪の上で食べる、豪勢なお鍋、水餃子のなんとおいしそうなこと! 雪の上でフゥーフゥーしていただく具沢山の熱々お鍋はさぞかしおいしかったことでしょう。
Commented by slow-trek at 2017-03-15 00:34
スーちゃんさん
おすそ分けですか~そう言って頂けると私も嬉しいですよ^^
豪華な鍋って、いえいえ全然豪華じゃないです
冷蔵庫に会ったクズ野菜を適当に中華スープで
作っただけのものです、でもホント暖まりました
機会があればぜひチャレンジしてみてくださいね(^^)
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