荒野にて

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晩秋の奥黒部 高天原逍遥

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■山行日:2016年09月22日(木)-09月25日(日)
■山:北アルプス:黒部源流域
■目的:黒部源流を彷徨う
■ルート:23日(金):野口五郎小屋(06:00)-水晶小屋(09:00)-高天原山荘(13:00)


高天原山荘の受付で、小屋番の女性と、悪天候続きなど会話する
せっかくのSW連休に、この二日間宿泊者はゼロだったそうだ

 「昨年の連休は、200人以上泊まって大変な騒ぎだったんですよー」

彼女は、昨年の騒動について少しグチをこめながらも
大仕事を成し終えた達成感も含ませながら話してくれた

定員50名のこの小さな小屋に200人オーバー?
この場所だけは静かなままでいて欲しかった




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身支度を整えて、温泉沢へと下る
樹林をずんずん進み、温泉をスルーして夢ノ平へと

長く続いた秋霖は、温泉沢から先のトレイルを洗い流し
簡素な木道は水没していた

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薄暗い樹林の中、今この時間、山荘より奥に居るのは自分だけ

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そして目の前には、静まり返った夢ノ平、竜晶池

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湿原の向こう、流れるガスの中から覗くのは薬師の稜線

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これより先に道は無い、ここが北アルプス最奥部

時が止まった夢ノ平に立ち尽くす

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これ以上はここに居ない方がいいような
そんな気がした

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温泉沢に戻り、露天風呂に浸かる
誰も居ない高天原、誰も居ない温泉

静かな湯船に、沢の音がいつもより大きく響く

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山荘に戻り、まったりと過ごしていると
数名単位で宿泊者が集まり始め、ほっとしたような残念なような

小屋主さんに明日の行程について話すと
温泉沢は増水しているので、今晩降るとやめた方がいいとのこと

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いつものように、夕暮れ前にランプに火が灯される
この瞬間、胸が締め付けられるような寂寥感に襲われるのは何故だろう

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烏帽子小屋バイトの彼女と一緒に食事をしていると
夢ノ平の美しさに感動したと、嬉しいことを言ってくれる
 
そんな彼女に、ゴールである折立に下るには、雲ノ平を経由し
黒部五郎小舎に泊まり太郎兵衛平へのルートが、一番お勧めだと
地図を指しては、黒部源流、三俣山荘、五郎のカール等のポイント
赤木岳、北ノ俣岳への稜線の美しさを話してあげる

彼女は、目を輝かせ、うんうんと頷きながら聞入っている

その澄んだ瞳に缶ビールの酔いが進む

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未踏ルートである温泉沢、そして二度目の読売新道
あの稜線からの展望を想いながら、ダイニングでひとりウィスキー

仄かに揺れるランプの下
静かな静かなときが流れてゆく



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by slow-trek | 2016-12-12 09:06 | 北アルプス | Trackback | Comments(2)
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Commented by 単独行 at 2016-12-13 15:38 x
高天原山荘には建て替わってからいってないですよねぇ。
まぁ、山もこの一年半以上ろくすっぽ登ってないんでが・・・

しかし、いいなぁ。

いいもんやねぇ。

ゆっくり歩きたいねぇ。
Commented by slow-trek at 2016-12-13 23:14
単独行さん

いいでしょ、高天原
良かったのですよ、しみじみと
心の奥に染み渡るような感じ、と言えば
きっと伝わるでしょうか・・・

ゆっくりでいいじゃないですか
また歩きましょうよ
おつきあいしますよ
みんなで、また歩きましょ^^
line

山行記録と山にまつわる物語


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