荒野にて

slowtrek.exblog.jp ブログトップ | ログイン

晩秋の奥黒部 雨の野口五郎岳を行く

b0244811_2355309.jpg


■山行日:2016年09月22日(木)-09月25日(日)
■山:北アルプス:黒部源流域
■目的:黒部源流を彷徨う
■ルート:22日(木):高瀬ダム(07:00)-烏帽子小屋(11:20)-野口五郎小屋(15:30)


今年の夏、休暇も録に取らなかったのは
初秋の時期に思う存分歩くつもりだったからだ

候補は東北だった
一昨年、中途半端な山行で終わった飯豊山脈をもう一度
今度は縦走で、北へ歩き通すプランを練っていた

しかし

その初秋のSWは、前の週末からの台風が列島を縦断し
雨と風で、温めていたプランごと流されてしまった

どうにか後半、雨が降らない日が現れそうなのは北アルプスだけ
よし、じゃ未踏な裏銀座だ、ブナ立尾根から入り
野口五郎を踏んで、晩秋の雲ノ平を彷徨い
高天原から温泉沢で稜線に這い上がり、読売新道を下ろう

思いっきり歩こう
奥黒部を




b0244811_23594265.jpg


20日、雨でもいいから出発する覚悟だったが
Instagramに、元気いっぱい、キュートな山ガールさんから
高瀬ダムの濁沢に架かる丸太橋が流されているとの情報がUPされていた

電話で市に問い合わせると、サイトには「復旧済み」となっているが
その後、再び雨で流されたようだ、さらに今現在大雨による通行止め
ダムにすら行けないとのこと・・・

b0244811_23304367.jpg


ずっとPCの前であらゆる天気予報をチェックするが
どこも雨、風、土砂崩れ・・・仕方なくその日は諦め、翌日の午後
通行止め解除を確認した上で、やっと出発となった

七倉山荘の駐車場で一晩明かし、雨の中乗り合いタクシーでダムまで
20分ほどのワインディングロードを終えて下車すると、雨が上がり始める

小雨の間に少しでも歩こうと、慌ててトンネルに向かう

車道から川原に下り、進んで行くと、雨が上がって行く

b0244811_23312569.jpg


そして、例の丸太橋が流された現場
その様相は、まさに濁沢だ

直前の情報では、下流の方で裸足になる覚悟があれば
渡渉出来なくもない状況なようだ、だが昨晩は一晩中降っていた
さて、どうだろうか

b0244811_23265346.jpg


と、いざ上流へと進み、崩れかけた斜面を川に下り
前を行く若者たちと、最適な渡渉箇所を探していると
飛び石で渡れそうな場所があり、渡渉することが出来た

b0244811_23341078.jpg

 
安心したのも束の間
やはり雨は上がりきらず、再び落ち始める

b0244811_2335104.jpg


北アルプス三大急登、そのひとつであるブナ立尾根は
その名の通り、大きな、そして美しいブナ樹林の中を進む

b0244811_23362619.jpg


つい先日、NHKで放映された「にっぽんトレッキング100」で
かの伊藤圭さんが、その名の由来を語っていた「ごんだ落とし」

今想えば、あの映像で、このルートから雲ノ平へ歩くことを思いついたのだ

b0244811_23371038.jpg


この辺りから、トレイルは急勾配となるが
ときおりフラットな箇所もあり、一息付けて、いいリズムで登れる
雨さえ無ければ、このトレイルは嫌いじゃない

b0244811_23375076.jpg


しかし、その雨が問題だ
樹林に守られながらも、もうカメラを出せる余裕も無くなる

高瀬ダムから3時間20分、烏帽子小屋着
小屋に入り、缶ビールを頂き一休み
優しそうな感じの若き小屋主さんが、残念そうな顔

b0244811_23414652.jpg


 「せっかく来てくれたのに、ここからの展望が雨で見えないのが残念です」

いや、大丈夫、ここはきっとまた訪れますよ、晴れた日に、きっと

烏帽子小屋を後にすると、雨はどんどん強くなる
カメラなんて出すことも出来ず、ただ俯いて雨風を避けながら歩く
こんな日に裏銀座だなんて・・・

b0244811_23423726.jpg


忍耐の4時間は、三ツ岳を通過したくらいしか覚えていないほど
まったく、何の風景も見えず、ただ俯き進むと、やっと野口五郎小屋着

画像や映像で見た通り、白い稜線上にあり、強風から守るために
屋根に大きな石が並べられた簡素な小屋
でも、その小屋には、頼もしく、力強い表情があり
あぁ、ここなら大丈夫だな、と、見た瞬間に安心感に包まれてしまった

b0244811_23485188.jpg

 
すっ裸になって全身の汗を雨をぬぐうと、どうにか生き返る
暖かな食堂で、今夜の宿泊者4~5名が集まり、山談義に盛り上がる
その様子を、にこやかに眺めてるのは小屋主の上条さん

 「私たちは、親の代から、使命を引き継いで山小屋を営んでいる」

先のNHKの映像では、伊藤圭さんと会話するシーンで 
そんな素晴らしい言葉を残されていた上条さん
翌朝、まだ薄暗い、そして雨の降り続ける中、次々に発つ我々を
玄関でじっと見守り「気をつけて!」と一言々声をかけてくれる姿に
その想いが、じんと伝わってきた

縦走二日目の朝

b0244811_843195.jpg


白砂の美しき稜線に、この山域特有の強風、そして大きな雨粒が叩きつけられる
ともすれば、その風に足元をすくわれそうになりながら
それでも、前へと進むしかない登山者たちは行く

雨の野口五郎岳を行く


ブログランキング・にほんブログ村へ
■RANKING■

by slow-trek | 2016-12-10 01:43 | 北アルプス | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://slowtrek.exblog.jp/tb/26443525
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ruonick at 2016-12-17 08:25
裏銀座お初とは意外です!

野口五郎小屋大好きですヾ(o´∀`o)ノ
スタッフさんが本当に良い人でした(*´ω`*)
また泊まりたいなぁ♪
Commented by slow-trek at 2016-12-18 23:50
ゆなさん

そーなのです、裏銀デビューなのです
まだまだ青二才なものでして^^;

野口五郎小屋、良いですよねー♪
Commented by wannpaku3 at 2016-12-23 00:42
多分、まったく同じルートを
お盆に行って来ました。
快晴で、、
でも、、大変なルートでした。
これからの展開が楽しみです
Commented by slow-trek at 2016-12-24 00:16
wannpaku3 さん

はじめまして
お盆の時期に快晴でしたかー
羨ましい限りです^^
line

山行記録と山にまつわる物語


by slow-trek
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite