荒野にて

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さよなら七面山 神仙平から奥駈道(前)

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■山行日:2015年10月24日-25日
■山:奈良県大峰山系:七面山
■目的:晩秋の神仙平奥駈道
■ルート:湯ノ又(09:00)-登山口(11:00)-林道終点(13:00)-奥駈道(15:30)-楊子ケ宿(16:30)
     楊子ケ宿(08:00)-七面山東峰・西峰(10:00)-あけぼの平(11:40-12:00)-湯ノ又(14:40)


神仙平から奥駈道
過去に二度歩いたルート、二度とも晩秋の頃
荒れた林道を詰めると、ヒトの気配の一切無いカラハッソウ谷へ降り
岩石の群れにしがみ付きながら進むと、谷の両脇には燃える紅葉が現れ
それは、まるで大峰の涸沢と称したくなる風景

あの道なき道を詰め、同じような晩秋の奥駈道を歩きたい
夕陽に染まる楊子ノ森から釈迦ヶ岳を望みたい

昨年も企画したけれど、湯ノ又への林道崩壊で断念したのだ
今年も、一度通行可能となった林道が、この秋再び雨で崩壊し今も復旧作業中
「通れないこともないけど止めた方がいい」
そんな役所の対応に、とりあえず行ってみるか
ダメだったらそこから歩けばいいさ、と新幹線に乗った





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今回も同行してくれるのは、山の大先輩であるルネさん
このエリアで七面山だけ抜けているルネさんは、憧れのルートだと張り切る

湯ノ又までの林道崩壊の復旧作業箇所は、雨の後だと通行出来なかっただろう
あの状態だと、次に大きな雨が振ると、再び崩壊するのも近いと思う

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落石を避けながらのドライブで疲れきった上に
湯ノ又から登山口へ向かう林道の崩壊具合も散々だ

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特に、洗い越しから直ぐには、林道のコンクリート地盤そのものが抜け落ちていて
その先は20メートルほど下の谷底だ
見た瞬間、引き返すしか無い、と思ったが、何とこんなところにまで
誰が張ったかフィクスロープがある、お陰でどうにか通過出来たが
ここも、次に大雨があると、残ってる地盤が崩れ落ちるのも時間の問題

そうなってしまうと、もうここは歩けないだろう

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その先も、崩壊寸前の路肩、巨大な落石で崩れそうな橋
連続する危険な箇所を、急ぎ足で抜ける

この林道は、この先どうなって行くのだろうか
こんな状況を元に戻すにはどれほどの時間と費用を要するのだろう

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過去には90分もかからなかった登山口までの林道が
120分も要したのは、連続する崩壊箇所を抜けるのに手こずったからだ

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神仙平に行くには、七面山登山口から大きく九十九折れで標高を下げて行く
三度目とは言え、この下りにはうんざりだ

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林道、いや今や廃道と称するのが正しいだろう道を下りきると
七面山へ向かって登り返す、そのカーブからはやっと晴れて来た空
そして、奥駈道と、神仙平が望める
ここまでの荒れっぷりに、脚も気持ちさえも疲れきっていたが
このシーンで、一気にモチベはアップだ

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どんどん広がって行く青空が
今や秘境と化した林道の紅葉を照らし
黄金色の光の中を歩く

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しかし、その廃道の終点には、目を覆いたくなるような光景
突然足元が消え、崩れ落ち、カラハッソウ谷が無くなっていた

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これじゃ、あの大峰の涸沢を歩けないじゃないか・・・
いや、きっとこの崩壊した斜面をトラバースして回り込むと有る筈だ
あの大きな岩石の転がる谷がある筈だ、その谷を詰めて行けば・・・

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止めよう

この崩落地を無理して進めても、その先、見ない谷がどうなっているか想像もつかない
危険なトラバースの末、元に戻るのはロスタイムばかりかハイリスクでもある

ルネさんと相談し、樹林の中を適当に進むことにした
古いテープも、新しい踏み跡も点在するが、進む方向は明確だ
ただ、倒木を避け、歩きやすいルートをとればいい

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と、30分ほど樹林を進むと、視界が広がり、足元にはシダが茂る
樹林の合間からは、カラハッソウ谷越しの中尾の尾根

さぁ、神仙平だ

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秋は思ったよりも深く
もう彩りも無い

それでも、神住む峰の底には、今も不思議な静けさが残り
ただ、秋の風が草原を揺らす音だけ

こんなヒトの気配の一切無い場所から
望むのは、明星ヶ岳と奥駈道、そして青空

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やっと来れましたね
うんうん、と頷くルネさん

その笑顔に、こちらまで嬉しくなるが、ここから奥駈までの登り
その厳しさを知ってる自分は苦笑い

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どう登ればいいのー?
好きなところを登ってくださーい

そんな大声の会話の後は、お互い自分のことで精一杯
ゴーロ帯の岩を頼り、樹に掴まり、急登を詰めること50分
やっと乗っかった奥駈道は、もう秋の陽が落ち始めていた

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舟のタワを捜し、七面山遥拝石を拝み
明星から八経ヶ岳への稜線を仰ぎ見る

ゆっくりと暮れなずむ奥駈道

初めて訪れた日のように、このまま楊子ノ森へ登り
夕陽に染まる釈迦ヶ岳を望みたかったが、それは明日にしようか

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楊子ケ宿の避難小屋に着くと、一階は既に先着グループが使っていた
荷物を上げ、頼りない水量の水場から水を採ると、もう夕暮れ

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昨年の燃えるような夕景には間に合わなかったけれど
復旧工事中の林道ドライブ、さらに崩落寸前の高巻き、落石群・・・
苦労して辿りついた奥駈道の小屋で飲む缶ビールは
北アルプスの生ビールにも負けない美味さだった


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by slow-trek | 2015-12-09 00:08 | 近畿[大峰山系] | Trackback | Comments(6)
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Commented by katsu♨ at 2015-12-09 13:00 x
羨ましい、羨ましい、ああ羨ましい・・・
しかも三回目ですと!ああ羨ましい・・・

来春の雪解けの頃には必ずや入山しますよ!
大雨の季節までには神々が舞う場所へ伺います。
Commented by ルネオバ at 2015-12-10 10:29 x
憧れの神仙平を経て辿り着いた楊子ケ宿。
頂いたビールは、昨年にも増して美味しかった。ご馳走様。

車に置いてきたビール、お土産に持って帰ってもらうつもりだったのに、うっかり持って帰ってしまいました。
いつもタダ酒飲んでばかりやん・・なんて思われたら何なんで・・一応・・ (^▽^;)>゛

あ、11月末、楊子ケ宿の小屋、関東からのツアーもあったりで22人だったらしいです。

けどまあ、夕暮れの奥駈、夜中の風の呻き、そして荘厳な朝、こんな大峰を味わうと、もう普通の山では満足しきれない自分がコ、ワ、い、、、(; ̄_ ̄)=3
また歩きましょ!
Commented by えいみ~ at 2015-12-10 23:00 x
同日、楊子ケ宿で騒がしくしていた者です
夕暮れの写真を代わりに撮ってきて欲しいなどと、厚かましいお願いをしてしまい、後から反省していました…
また大峰でお会いした際は、ご挨拶させてくださいね!
Commented by slow-trek at 2015-12-11 23:57
katsu♨さん

三回も言わなくとも、悔しさは十分伝わりますよ^^
来年?
さぁて、雪解けの頃、あの林道はどうなってるやらん
ヘルメット、ザイルは必携かと
でも、貴兄はきっとチャレンジするのでしょうね^^;
ここの、秘境っぷりったら、そりゃもう痺れますよ
Commented by slow-trek at 2015-12-11 23:59
ルネさん

いつもタダ酒?そう言えばそうですよねー
年末だし、そろそろまとめて集金に伺いますよ^^
素晴らしい晩秋の大峰
さぁ、来年はどんな企画しましょ?
赤井谷でテン泊なんてどうですか^^
Commented by slow-trek at 2015-12-12 00:08
えいみ~さん
いえいえ、にぎやかで楽しそうで
この季節の、奥駈上の避難小屋で若いグループがいるなんて
なんだか嬉しかったですよー
こちらこそ遅くまで山談義で盛り上がってしまって
あのスノコ天井だと、会話がうるさかったでしょうね
ってか、よくぞこんな記事発見されましたねー!
ちょっと驚いてます^^;
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山行記録と山にまつわる物語


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