荒野にて

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初雪 北八ヶ岳

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■山行日:2014年11月15日(土)
■山:北横岳・縞枯山
■目的:霧氷の縞枯
■ルート:山頂駅(09:30)-北横岳(11:00)-縞枯山荘(12:10-13:30)-縞枯山-山頂駅(15:45)

強い寒気が列島襲う週末
あちこち天気予報をチェックするが、早くも冬将軍の到来
信越、東北方面は軒並みアウト、やや期待が持てそうなのが北八方面だ

何気なくネットを周回していると、数日前に青空に輝く霧氷の画像が目に入る
それは縞枯山だった

冬の北八ヶ岳は、北横と蓼科山を一度歩いたっきりだ
よし、北八を歩こう
冬将軍をやっつけに行こう




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ビーナスラインは女神茶屋手前辺りから、部分的な凍結が目立ち始めた
小雪の舞う駐車場で気付いたが、いつのまにか「ピラタスロープウェイ」から
「北八ヶ岳ロープウェイ」へと名前が変わっていた
9時の始発には、人もまばら、こんな天気に来る人も少ないだろうな

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ロープウエイの窓からは、ヘリンボーン模様の森
山頂駅は吹き付けられた雪が凍り付き
凍えるような風に煽らて歩きはじめると、そこはモノクロームの世界

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想像を超えていた
きっとピークの手前、樹林帯を抜ける頃から霧氷だろうと、思っていたけど
冬将軍、大活躍だな

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観えているはずの、甲斐駒、北岳、仙丈岳
南アルプスは曇天の遥か彼方

かすかに、下界の方が明るく光り
この地が今、雪雲の中にいることが分かる

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散策コースから登山ルートへと逸れ北横岳へと向かうと
シラビソは凍り付き、早くも白いカベのようになっている

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何度か九十九折れをやり過ごすと、北横岳ヒュッテだ
煙突から流れる煙と、焚火のような匂いがなんとも懐かしく
凍り付いた空気を、ほんの少し和らげてはくれるが
壁に付いた温度計は、マイナス9度

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寒いはずだ、冬将軍め
かじかむ手でポットに淹れたコーヒーで一休みすると
あきらめたように歩きはじめる

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やはり山頂は、北峰も南峰も、真っ白
そこにあるのは、エビのシッポと突風だけ
風に飛ばされては、飛んでくるエビのシッポを両手で避けながら
ナポレオンよろしく、冬将軍から撤退

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ザクザクと坪庭まで戻る
秋晴れの霧氷の中、北横と未踏な縞枯山を歩く目論見は儚く消え去り

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さぁてどうする
食糧持ってきたけれど、ごはん作ってるような状況じゃないよなぁ
山頂駅テラスのレストハウスでビールとカレーでも頂いて
とぼとぼ退散するか・・・

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冬将軍に負かされて、情けない思いで坪庭を周回していると
目についた案内板には、縞枯山荘まで5分とある
そうか、んじゃ山荘でご飯頂くとするか

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三本線の木道をこつこつ歩き、ゆるいカーブを回り込むと視界が広がる
そこには、大きな草原の中、ぽつんと三角屋根のヒュッテが収まって
それは、まるでロケーションの一部となるよう設計されたかのような姿

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いい顔した山荘だ

ドアを開けて中に入ると、すぐ右手に小さな自炊エリア
そうだ、ここでランチとしよう
小屋主に使用料300円を支払ってテーブルに着くと
後から4名ほどの若者たちも続き、急に賑やかになる

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ビニールのトタンに囲まれた自炊エリアも
数人で煮炊きすると少しは暖かく、若者たちの楽しそうな会話を肴に
缶ビールで、まったり、ほかほかランチ
すると、突然部屋が明るくなり始める・・・うん?

そーっと、小屋のドアを開けてみると

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なんてこった
そこには目に沁みるほどの青空

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「外!、空!、外!ほら、晴れたよ!」

慌てて荷物をザックに詰め込み、若者たちに意味不明な絶叫を残して飛び出した

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さぁ、こうなったら予定通りだ
縞枯山の登山口へと、白い草原の中をガツガツ進む

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あぁ目が痛い、目が痛いぞ
モノクロームの世界から、一気に光が目に飛び込んで
それは五感をも射すようだ

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あまりにもハイになったおかげで、登山口をスルーして
雨池の方へと下っていることに気付いて、苦笑いしながら登り返す

何やってんだかな

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登山口からは、ほぼ一直線、直登だ
岩がゴロつくトレイルは5センチほどの積雪で滑りやすくなっている
こりゃ、下山は軽アイゼン着けないと歩けないな

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シラビソの森は風を防いで歩きやすく
ほんの25分で山頂だ

強風に、大きな雪雲が目の前を流れて行き
青空と日陰が交互にやって来る

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西方向には蓼科高原から茅野市内が広がり
南アルプスも、稜線のシルエットが見えるようになる

あぁ、きっと南八ヶ岳も望めるぞ

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北横と同じように、バラバラと降り付ける樹氷
その音も嬉しくて、樹林の中を展望台方向に進む

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体感温度は、北横岳と同じくらいだろうか
もう午後の空気となり、空が晴れても風は冷たい

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展望台からは、茶臼山の向こう、厚く黒い雪雲に覆われて
赤岳の頭は見えないけれど、この南八ヶ岳の姿、これはこれで美しい

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そして西面には北へ広がるシラビソ樹林
その永遠に続くかのような、凍った綾織り模様は目に射し込むように美しい

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風の冷たさは限界を超えて、頬を凍えさせ
全身が痛くなるほどになっても、このシーンから離れられない

負けるものか冬将軍め

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なんて、強風に対峙するけど、すぐに限界
フリースマフラーを顔にグルグル巻きにして、とっとと撤退

ピークまで戻ると、なんと!もう15時過ぎてる?
やばいやばい、ロープウェー最終は16時だ

4本爪軽アイゼンを着けて一気に草原まで駈け下りる

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傾きかけた陽は、縞枯山荘が佇む姿を、まるで一葉の風景画のように魅せてくれる
15時30分、もう焦ることはない

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誰もいなくなった木道をとぼとぼ歩き
縞枯樹林に囲まれて、そこだけ無風の暖かな場所から夕陽を振り返った

早くもやって来た冬将軍
期せずして、樹氷に凍える綾織り模様の森を歩くことが出来た一日


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前日から降り始めたばかりの初雪、そんな北八ヶ岳は
素敵な季節の訪れを予感させてくれた
by slow-trek | 2014-11-19 22:36 | 関東甲信越[八ヶ岳連峰] | Trackback | Comments(17)
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Commented by pallet-sorairo at 2014-11-20 08:31
素敵すぎる! 
ヘリンボーン模様の森。
紅葉紅葉と思っていたけれど
お山はもうすっかり冬なんだ!
Commented by oyaji at 2014-11-20 23:12 x
う~、寒そう!
でも、冬はウキウキするんですよね
早く雪が積もらんかなぁ
Commented by MOMOパパ at 2014-11-21 00:30 x
北横だったんですねー。わたしは天狗あたりにいました。
寒くて風が強かったですが、このサプライズ景色は最高ですね。
どの写真もスバラシイ。(^^
Commented by ルネオバ at 2014-11-21 11:35 x
テント装備?なのが気になる・・
Commented by ルネオバ at 2014-11-21 11:39 x
二枚目画像、
スロトレさんじゃないのかな?・・気になる~・・《;~Д~》
Commented by cyu2 at 2014-11-21 14:58 x
うわ~ほんと素敵!
ついつい青空を求めがちですが、こんな積り初めのモノクロームの世界もいいですね。
色のない世界に縞枯山荘の青い屋根が映えて空気がピーンとした感じも伝わってきます・・

と思いながら見てたのに、青空ですか!
すごーーい!
さすがスロさん、持ってますね(・∀・)
同じくテント装備なのが気になります。

一個前のにコメしそびれたのですが、大峰奥駆道ってやはりGWは混むんですか!
4年前に吉野に行ってから行ってみたくて毎年GWに計画しては流れて・・を繰り返し。
素晴らしい大峰の景色に心揺さぶられてしまいました、また行きたい病が再燃してます。
Commented by slow-trek at 2014-11-21 23:35
palletさん
そうでしょ、そうでしょ
もうね、お山では冬なのです
早いものですよね、季節の移ろいは・・・
Commented by slow-trek at 2014-11-21 23:36
おやじさん
冬ですよ!
起きて下さいよ!
Commented by slow-trek at 2014-11-21 23:37
MOMOパパさん
なんと、ニアミスでしたね!
で・・・
タオル、どこ行ったんでしょ^^
お互い素晴らしい雪山シーズンインでしたね^^
Commented by slow-trek at 2014-11-21 23:39
ルネさん
ヴぇーっ、、、
ルネさんったら、私の後姿忘れたのですかい?
これ、ぜーんぜん違うでしょ。ぷんぷん
ってか、この時期テン泊装備でどこ行くのん^^;
Commented by slow-trek at 2014-11-21 23:44
cyu2さん
そうなのです
モノクロームの世界も、もちろん美しくて
で、そこから一気に青空だったものでして、はい
いえいえ、なーんにも持ってないですよ^^;
奥駈道については、ひとつだけ言いますと
82キロあるのですよ
なので、どこかピークを決め打ちで歩くか
5、6日間かけて歩き通す?しかありません
途中でエスケープしようにも、日に数本のバスが
通る国道まで2時間かかるような秘境なのです
また、今度、ゆっくりとお話させて頂きますよ(笑)
Commented by ロビ at 2014-11-22 17:43 x
初めまして ^^
あまりの写真の美しさについつい書き込みしてしまいました。(笑
うっとりこん
毎回、素晴らしい写真と文章に惚れこんじゃってます、はい
北横は毎年お正月に登るのですが、へぇー ピラタスロープウェイから
北八ヶ岳ロープウェイに変わったんですね。
両脇ポッテリ雪のついた木々に囲まれ
北横ヒュッテへ続く真っ直ぐな道、あそこが私のツボです
Commented by bphiro at 2014-11-23 08:37
(*^_^*)
マット横付けのバックショットは???
って思ったけど、やっぱり…………

スロさんではなかったのですね(~_~;)
この辺りの薄めの雪化粧は、ほんと綺麗ですなぁ〜
Commented by ゆな at 2014-11-24 14:58 x
きゃーーーー(≧∇≦)
素敵すぎる!!!
青空×霧氷最高です!!!
でも、何気にモノクロームな世界も好きです♡

縞枯山荘はいいですよね!
三角屋根がメルヘンで何とも言えません♪
若者に絶叫したとこ、ウケましたw

北ヤツは雪山ハイクにぴったりですねー♪
Commented by slow-trek at 2014-11-24 19:07
ロビさん
こちらこそ初めまして^^
毎年、お正月に北横ですか、それは素敵な正月ですね
ヒュッテて続く真っすぐな道、確かに雪が付いて
一回りもふたまわりも大きくなった樹林に囲まれて
歩くのも楽しいですね
私もそんな正月を過ごしてみたいものです^^
Commented by slow-trek at 2014-11-24 19:09
bphiroさん
そうそう、さすがhiroさん
バックショットで分かりますね^^
ほんと、おっしゃる通りです
この完全に雪に包まれる前の姿
これは美しいモノです
いい日に歩くことが出来ました^^
Commented by slow-trek at 2014-11-24 19:11
ゆなさん
ステキでしょ、へへっ
って言うか、翌日ですか?
ゆなさんちの昇仙峡ナイトハイク
この画像は、これまた素晴らしいですね
今シーズンも美しい画像、いっぱい見せてくださいな^^
line

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