荒野にて

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山岳映画縦走

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11月最初の三連休
最後の北アルプスを狙っていたけれど、天気予報は雨
ま、このところ毎週末、泊まり山行が続いて疲れぎみ
たまにはカラダを休ませるのもいいか・・・
とは言ってもなーんの予定も無いってのもどーよ

と、ふと思いついたのは映画
先日大阪の好日山荘で、店内のモニターで観た予告が気になっていた
それと、もう一本気になっているのもある
ネットで調べると、なんとその2本とも、関東エリアでは都内、しかも各1館だけ

うーんんん
2本ともだ、そうだ、縦走しよう!




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先ずは登山口である有楽町
駅からすぐそこに見えてるヒューマントラストシネマ
9時20分からなのに、8時45分に行ってもビルにすら入れず、どないやねん
まさかの、登山口停滞、んじゃ待ち時間に駅前で献血でもするか
いやいや、これから縦走だぞ、献血はないだろう、ってなことでスタバでコーヒー
なんてことはどうでも良くて、映画は想像を超えた、ガチなドキュメント

 「アンナプルナ南壁-7,400mの男たち」

ネパール・ヒマラヤ山脈に属し登山者の40パーセントは命を落とすアンナプルナ
中でも最も困難なルートと言われる南壁ルートで重度の高山病に罹ったスペイン人登山家
その、たった一人の登山家を救うために集まった、世界10ヶ国12人の登山家たち
彼らが、その日、その時、何を思って、どう行動したのか
一人一人のインタビュー、モノローグから構成された真実の物語だ

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映画は何のドラマも無い
再現シーンの一コマすら無い
ただ、一人の登山家を救うために、一人、また一人と集まって来た登山家たち
その一人一人の背景、信条、思い、それらが、淡々と流れるだけ
きっと、登山をしない人には、退屈でしかない記録だろう
しかし、そのモノローグにあるのは、それぞれの持つ真実だけ
だからこそ、ドラマ仕立てにするよりもリアルなのだ

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一人の登山家、ロシアのアレクセイのモノローグ
「自分は、全てのリスクを排除している」、みたいな語りのとき
撮影は自宅リビングで行われていて、隣に座る奥さんが割り込む
「嘘ばかり、一人では登山しないって言いながら、この前も一人だったじゃない」
心配と不安と少しの批難が複雑に絡み合った表情の奥さん
その割り込みに、返す言葉も無く、ただ首を振るだけの、ロシアを代表するクライマーの姿

誰もが、誰かを想って、誰かに想われている
それを知りながらも山へ入らずにはいられないのだ

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そして、山岳史上に残る救出劇、その結末は・・・
達成感、呆然自失、消失感、あらゆる感情が記されている
救出に係ったメンバー全員の集合写真、この一枚が全てを物語っている

  山に登るのは死ぬためじゃない
  今こうして生きていることを噛みしめるためだ

一人の登山家、デニスの言葉に共感を覚えた、珠玉の記録映画だった


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有楽町から、次なるピークは六本木だ
小雨の降る東京の街を小走りで、日比谷駅に走りメトロに飛び乗る
いいぞ、CTでは15分、それを越えると2本目に間に合わない
3番出口からアマンド前交差点を走ってたとき、まだ2回しか履いていない
ニューバランスのトレランシューズが雨に濡れた横断歩道の白線をグリップできず
思いっきり、ぶっこけてしまい右肘をアスファルトに叩きつけて泣きそうになり
杖を突いたおばあちゃんに手を差し伸べられ、あぅ、おばあちゃんありがとう、大丈夫だよ
なんてことはさておき2本目だ

 『クライマー パタゴニアの彼方へ』

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南米のパタゴニアにそびえる標高3,102メートルの峰“セロ・トーレ”
世界一登頂が困難で、世界中のクライマーたちを惹き付けてやまないこの山に
フリークライミングの若き天才、デビッド・ラマが挑んだドキュメンタリー

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難攻不落で知られるセロ・トーレ
50年代のイタリア人登山家疑惑の登頂、それを払拭するために同登山家による
マシンでボルトを打ち込んでの登頂、そんな歴史と、南米、北米で活躍した
往年のクライマーたちのインタビューのカットに、この山の魅力を知ることになる

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そして主役である若き天才フリークライマー、デビッド・ラマの挑戦

これが、手に汗どころか、足先まで汗びっしょりになる大迫力

カメラマンもヘリによる空撮隊と、ザイルでぶら下がりながらの二方向
そして圧巻はデビッド・ラマ本人のヘルメットに装着された小型カメラ
このカメラが、ガツガツと岩に当たる音が何ともリアル、そして何度か堕ちるシーン
パートナーのペーターオルトナーに氷塊がバラバラ降りかかる音
ピークに立つ二人をヘリで旋回しながらの空撮の迫力

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これは、六本木シネアートのようないわゆる小劇場ではなく
大スクリーンで体験したいところだった

そんなクライムシーンはもちろんのこと
画面いっぱいに広がるパタゴニアの大自然、アイスタワーと称されるセロ・トーレが
朝陽に照らされ、夕陽に染まる姿、クライム中に氷のテラス上にビレイした
シュラフで眠るシーン(こんなの漫画 『岳』 の島崎三歩しか見たこと無いぞ!)
素晴らしく美しいシーンの連続、そして忘れられないのは主役であるデビッド・ラマ
そのチャーミングな笑顔と、はちゃめちゃに明るい仲間たち

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1本目のガチなドキュメンタリーとは違って、いや、この2本目も
紛れも無いガチなドキュメンタリーなんだけど、ノリが南米、ラテン系なのだ
とにかく明るくて、失敗を恐れなくて、絶対あきらめなくて、そこに青春を感じさせて・・・
そう、このドキュメンタリーは青春映画でもあるのだ

なんで、こんなにも素晴らしい映画が、これまた小劇場なんだ?
なんで、もっともっと話題にならないんだ?

親愛なる山仲間たちよ
これは見て損はしないよ、って言うか見るべきだよ


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こんなにも素晴らしい縦走を終えて駅へ戻るとき
気付くと街はゴミだらけ、おまけに妙な衣装まで道路上に落ちてて
着ぐるみ姿のまま、未だに酔いつぶれてる者までいて、なんだか、がっかりだ

お祭り騒ぎもいいけどさ、ゴミは持って帰れ、衣装を捨てるんじゃない
道路を占拠するな、たまには、映画を観ろ、そして山へ行け
今を生きてることを噛みしめてみろ
by slow-trek | 2014-11-03 00:07 | 映画 | Trackback | Comments(6)
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Commented by katsu♨ at 2014-11-03 23:41 x
「アンナプルナ南壁-7,400mの男たち」
僕も先日、神戸のシネリーブルで観て来ましたけど
kumiちょと二人・・・夜中に盛大にガッカリして帰ったのが本音です。
まあネットでの予告編の構成が良かったのにやられましたね・・・
リアルさは伝わりましたが僕は誰にも勧めませんね(笑
Commented by slow-trek at 2014-11-03 23:48
katsu♨さん
ふふふっ
さてはkatsu♨さん、ドラマ仕立てを期待してました?
だとすると期待外れも、盛大にがっがかりも分かります
きっと退屈極まりない90分だったことでしょね^^;
私的には、良い意味で大きく予想を外れてですね
こんなドキュメント、なかなか出来ないよな、と
ま、感性は人それぞれですよね^^
Commented by katsu♨ at 2014-11-04 22:37 x
流石! 大人ですなぁ・・・
むーちょ御名答ですわ(笑
FBでガンガン広告してるのを見てしもてネットの予告編ではまってしまい・・・
トーゼン!救出劇的なドラマが展開されると勝手に思い込み(汗
バカ夫婦は勝手にがっかりしてましたわ(爆
でも秀逸なドキュメントなのは恥ずかしながら認めますとも(滝汗
Commented by slow-trek at 2014-11-04 23:07
katsu♨さん
でも、あの予告だと誰もがドラマだと思い込みますよねー
裏切られた感は、きっと皆さん共感だと^^;
あ、「クライマー パタゴニアの彼方へ」こちらはね
同じドキュメンタリーでも、裏切りません
想像通りの内容、いやいや、映像は想像を超えてます
ぜひ、見てくださいね^^
Commented by ゆな at 2014-11-06 00:32 x
スロトレさんのレポ読んで、クライマーパタゴニアの彼方へを見たくなりました♪
近所でレンタルやるといいんですが…(´Д`)
アンナプルナのほうは、私は苦手そうです。笑

最後の言葉は響きましたーーー(*´∀`)
素敵です(*´ω`*)
Commented by slow-trek at 2014-11-06 22:43
ゆなさん
>アンナプルナのほうは、私は苦手そうです。笑
うんうん、ゆなさんに、あの重いドキュメンタリは
似合わないかもね~
クライマーはね、まだ上映中だから、レンタルは
も少し待たないとね!ぜひぜひ見て下さいね
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山行記録と山にまつわる物語


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