残雪の剱岳を望む

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■山行日:2014年04月27日(日)
■山:別山
■目的:残雪の剱岳を望む
■ルート:雷鳥荘(08:00)-剱御前(10:30-10:45)-別山(11:30-14:00)-雷鳥荘(16:00)

仕事でつぶれる予定だったGW前半が休めることになった
こんなパターンがいつも困るのだ
後半はヤボ用で実家に帰る予定だったので、このGWは完全ノープランだった

はて困った・・・
 
  



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と、そこへ会社の新婚さんA君から 「立山へ行きませんか」 とのお誘い
A君の新妻は山が趣味で、何度かお会いしたが山のことしか話さない、イケてる女性なのだ

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今回は彼女の山友夫妻が、急に行けなくなって、雷鳥荘の個室が空いたそうで
元々は唐松岳に行くはずだった新婚さんも、その話に飛びついたってワケだ

ま、元々ノープランだ、久しぶりに残雪の剱岳を望むのもステキじゃないか

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初めて黒部ダムから、高額交通費を支払ってロープウェーで室堂へ
しかし長い、高い(費用が)、長い
GW混雑とはいえ、3時間近くかかるこのルートは疲れるぞ

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やっと雷鳥荘に着けばもう夕方、素晴らしい温泉で汗を流すと
まるで居酒屋みたいなディナーにビアも進んで、ぐっすり睡眠
朝からバイキングをお腹いっぱい頂くと、さぁ残雪まぶしいゲレンデだ!

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雄山から黒部、薬師を望むと言うA君新婚夫妻と別れ雷鳥沢に下って行く
放射冷却で冷え込んだ雪面は、アイゼンがザクザク刺さって心地よい

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テン場から沢を過ぎると、あぁ始まったよ、この急登一直線

たしか、二か所ほどフラットな場所があるだけで剱御前小舎まで延々と続く急登だったはずだ

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素晴らしい青空に心踊らされながらも、息は絶え絶え

なんてったって6週間ぶりの山だ、脚も腰も鈍って鈍って、もうダメダメだ

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そんなオヤジを横目に、スノボーを担いだボーダーガールたちはザクザクと追い抜いて行く
彼女たちは、いったい何を食べてるんだろう?あんな重そうな板担いで?

二度目のフラットなところまで辿り着くと、あまりの辛さでダウン

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雪の上に倒れこむと、ボーダーガールが、声をかけてくれた

「大丈夫ですかぁー、あと少しですよぉー」

あぅ、なんて嬉しい言葉だろうか、感動で涙が出るぜ
でもさ、君たち、こー見えてもおじさん、このエリアはほとんど歩いてるんだぜ?
君たちキャピキャピのボーダーガールに心配されるほど、落ちぶれちゃいないぜ

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と、ムリして立ち上がった瞬間、ふらついて雪の上に倒れこむ始末
頭上から聞こえてくるは、ボーダーガールため息まじりの

 「あーぁ・・・」

完全に、落ちぶれてるじゃないか>オレ

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それでも、どうにか剱御前小舎まで来ると、もうハイテンション

小屋でビアを仕入れると、今までのヘロヘロ歩きから一転
サクサクと別山を駈けてゆく

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だって、だってオレはこの剱を見たかったのだ
ここに立って、この景色の中に溶け込みたかったのだ

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その目指した場所が、この景色が、なんと自分以外には誰もいない

独り占めなのだ

呆然と立ちすくんだ後は、セルフショットで遊ぶのだ、ハイなのだ

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と、そこへ黄色い声が

 「えぇー、踊ってるぅ?」 「さっき倒れてたヒトぉー?」 「おもしろーい」

先ほどのボーダーガール4人組だった・・・誰もいなかったハズなのに

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うぅ、これじゃ完全にヘンなオヤジじゃないか

再び無人になった尾根で、剱を前に座り込んで、ブシュッと缶ビール

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ほへぇ~ふぅ・・・声にならない至福のため息

最高の場所、最高のランチ、最高の時間、ぜーんぶオレのもの

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北アルプスのピークに一人
青空、残雪、缶ビール

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これ以上何がある?

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ランチの後は、ザックを倒して横になる
ポケットウィスキーを嘗めながら流れる雲の合間から挿す光が
剱の顔を変えてゆくシーンをずっと見ていた

2時間も北峰の尾根で過ごすなんて、きっと最初で最後だろうな

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下山するころには西から流れてくる風が強くなり
厚い雲が流れては消え、大日岳を鈍く輝かせている

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立ち止まって、その光の悪戯を眺めていると
いつの間にか足元になにか座っている
それは、もう何度目かの立山で初めて会った冬毛の白い雷鳥だった


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Commented by ジオン at 2014-05-22 22:36 x
で、、おっさんに会った事は何も書いてないのね、、。(;一_一)
セルフショット、、してるスロトレさん、可愛いわp(*^-^*)q

私たちは21日葛城山で弾けてました、、。
あー、、もう葛城山に2度と行けないかも、、お出入り禁止かも、、
チーさん真似で、、7人で山頂のあの標識に立って足揚げてしまった、、
Commented by slow-trek at 2014-05-23 07:45
ジオンさん
あちゃーっ!一番美味しいネタ忘れてました(汗
おっさんとの邂逅シーン、そして超脱力系な健忘症会話の応酬・・・
惜しいことをしてしまいました、おっさんごめんなさい^^
で?葛城で?チーさんごっご?7人で?そりゃハジけ過ぎですね
きっとツツジも笑ってたことでしょう^^;
Commented by ルネオバ at 2014-05-23 10:08 x
あ、やっぱり連休前半、人が少なかったのね?
4日なんて、もう、剱御前小舎への登りも行列。
別山北峰でさえ人がうじゃうじゃ!
写真撮影さえ順番待ち?なんて状況でした。
良い時に行ったのね~
単独さんとの感動の?邂逅は小ネタ特集の別編でおねがいしま~す(^з^)~♪
Commented by akko-kornblume at 2014-05-23 21:05
スロトレさん、素敵な景色見せてくれちゃいましたね~!
GWの立山って憧れだけど、遠いし高いよのね(笑)

劔御前までの急登・・・雪があっても登るの大変そう(^-^;
でも、山がみんな、輝いてますね。とーっても美しい。
山deソーセージ&カップラーメン&ビールって最高ですね。

スロトレさんの踊り、私も今年見ることが出来るのかな、楽しみだな(^^♪
Commented by slow-trek at 2014-05-26 21:02
ルネさん
はいはい、そりゃーもー、前半の人の少なさったら
ちょっと寂しいくらいでしたよ
邂逅のネタでしょ?今度ね、再現しましょか^^;
その方が笑えること間違いなしですよ
Commented by slow-trek at 2014-05-26 21:04
矢車草さん
この急登ねー、時間的にはそうでもないけど
雷鳥沢降りてからの登り返しでしょ?そりゃもう死にました^^;
あのですね、はっきりと言いますが、浮かれてハイになってるだけでして
踊ってませんからー^^;
どこかで、三脚相手に浮かれてるソロなオヤジが居たら
声気かけてみてくださいね♪
by slow-trek | 2014-05-21 23:54 | 北アルプス | Comments(6)