荒野にて

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神々の峰 二月の上高地

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■2014年02月11日(火)
■山:上高地
■目的:神々の峰を望む
■ルート:釜トンネル(10:00)-河童橋(12:50-13:50)-釜トンネル(15:40)


「11日だけ高気圧だよ、ピーカン上高地リベンジ行きましょう!」

昨年スノシューデビューに付き合って欲しいとお願いされて
上高地へ案内したF女史、終日吹雪のスノーハイクとなったので
今年は、ここぞっ!って日に連れてって欲しいとリクエストを受けていた
前の週に関東を襲った大雪は、この週末にも再び降るとのこと
じゃ、この日を狙って行くとするか

今度こそ神々の峰が輝いていることを期待して




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F女史と沢渡で合流後、タクシーを捕まえて8時に釜トンネル発の予定だったが
なんと寝過ごして1時間遅刻の上に、この日は稼働してるタクシーが少なくて
釜トンネル発は10時となった

この季節、帰りのタクシーは16時まででないと、来てくれないこともあると聞いて
F女史には悪いが、速足でトンネルを歩かせてしまうことになる

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薄暗いトンネル歩きは、俯いて黙々と、そしてトンネルを抜けると目が眩むほどの青空と白銀

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焼岳の稜線から輝く陽射しを浴びながら、凍る林道も足早になる

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 「うぁーぃ、ヤバーぃ、見えてきたよー!どーしよー!」

F女史でなくとも声は出るだろう、記憶では大正池のカーブ辺りから、それは見えるはずだった
なのに、もう、もう見えてきた

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穂高だ

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こんなにも直ぐに、こんなにも簡単に
憧れていた、真っ白に雪化粧された穂高だ

一瞬、その姿に足が止まり、次の瞬間駈けだしていた

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慌てて小走りになって、氷の塊に躓いてコケるF女史が視界の片隅に入るけど
笑うことも忘れてて、何故か自分も必死で小走り

「ははっ、コケちゃったよー、カッコ悪いねー、何も急ぐことないのにねー、バカだよねー」

大正池のカーブでスノーシューを着けながら
普段は無口なF女史の興奮が伝わってくる

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そりゃそうだ、こんな姿がどんどん迫ってくるんだから

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カーブの先では、プロの撮影隊らしきグループが息をひそめて大正池からの穂高を撮っている
マイクに音が入らないよう、シューを静かに蹴って行く

ホテル周辺の針葉樹は全て凍りつき、柔らかな冬の日差しに輝いている

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ここまでの興奮も醒め、湖面に映る焼岳を眺める

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風に舞う霧氷が輝いている

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その静けさを守るかのように、その風景の一部になるかのようの
身じろぎもせず、ひっそりと立ち、空を見上げる

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湖畔の静けさを壊さないよう、そっと歩きはじめる

背の高いカラマツの間を縫って進む
雪に埋まってはいるが、このエリアは湿原となっているはずだ

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帝国ホテルの裏手、中の瀬の冬季解放トイレだけツアー客が集まっている
そこを過ぎるとまた沈黙の世界

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田代湿原辺りからはF女史の声を一度も聞いていない
人の気配のない雪原には、キュッキュと締まった雪を噛む音だけ響く

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カラマツの間から穂高
あぁいる、穂高はそこにいる

蛇行して流れる梓川に出会うと、神々の峰を正面に見据える

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呆けたように立ちすくんで見上げる

霧氷が風に舞う

時が止まる

空の青が沁みる

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河童橋は5~6人が人が集まって、思い思いのポーズで撮影大会
その横をスルーして対岸に渡ると、穂高の正面でランチ

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せっかく用意したビールを忘れたので、ザックの底にあったワインで一人乾杯
ストイックなランナーであるF女史はチーズを齧るだけ

サクッと食べ終えると、雪の上に寝っころがって穂高を見上げる
ほろ酔いも手伝って、神々の峰はどんどん美しくなって行く

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1時間のんびりと過ごした後は、少しでも早く下山するためBT経由の林道歩き
朝の霧氷は消え去って、針葉樹林を白くしていた雪もドサドサと音を立てて落ちて行く

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少しずつ裸になって行くカラマツは、さぁ春だぞ、そんな声が聞こえそう

大正池から電話でタクシーを呼ぶと
最後に穂高を振り返り
大きく手を振った

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また来るよ、夏に来るよ


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 「Sさん昨日はありがとう。最高に美しかったね。でもね私
  去年の閉じ込められたような上高地も好きだよ。ヘン?」

翌日の昼休み、F女史からのメールに苦笑い

同じこと想ってた、青空に輝く上高地も素敵だけど
遠くて、凍ってて、吹雪いてて
・・・そんな冬に閉ざされた姿の方が魅力的かもしれないと
by slow-trek | 2014-02-14 13:36 | 北アルプス | Trackback | Comments(14)
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Commented by pallet-sorairo at 2014-03-18 10:35
素晴らしく赤いのはケショウヤナギ?
雪の上高地はほんとに「神降地」のようだと思います。
Commented by tukinobo at 2014-03-18 13:10
山賊焼きの今日の山ごはんから、待つこと一ヶ月
上高地、来たーーーーーーっつ(T^T)、ツーン。
青空に真っ白な穂高に、大正池はずいぶん凍ってたんだね。

そっか、スロさんは吹雪が好きなのね、
わかるような気がするわ。吹雪レポ多いもん。
ああ、山賊焼きが食べたい、只今はらへりっこです。
Commented by dahan at 2014-03-18 16:13 x
めっちゃエエ天気やったんですね!
なんかコーフンが伝わってきましたヨ^^
こんな真っ白な穂高と青い空を見てみたいものです。
Commented by ジオン at 2014-03-18 20:19 x
同じく、26日に初めてくらいの好天の上高地に興奮しましたが、、

地吹雪の上高地も
ビールのプルトップ開けた瞬間にシャリシャリのフローズンビアの
上高地も良かったと、、
あれがなければ、、好天のありがたさが分からない、、です。

槍の雷雨しかり、
大キレットの雹しかり、、
まだまだ白山の雷雨もあるぞ~って、
悪天候を自慢してる場合でない、、、ですが、、(*T_T*)

でも、、今年は晴れ女だ~!
うれしいです~p(*^-^*)q
Commented by ゆな at 2014-03-18 23:25 x
うーん深い!!!深いですねーっ
私なんて単純だから、快晴のが好きですw

それにしても綺麗だなー♪
ほんとに神がいそうですよねーっ

今週末、上高地通るかもしれません♪楽しみだなーっと
Commented by katsu♨ at 2014-03-19 23:32 x
紺碧は大好きですが心眼の必要な鈍色も嫌いじゃないです。
「神々の山嶺」は世界中に存在し僕達を魅了してくれるのでしょうね。
静かな河童橋・・・いっぺん体験したいもんです(笑
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:33
palletさん
ケショウヤナギ、のようですね・・・
そのカテゴリについては全く知識が無くて(涙
>雪の上高地はほんとに「神降地」のようだと思います。
素晴らしい!これ「神降地」頂きます
いつかブログで使わせて頂きますね
なんだか、私の周りには不思議と詩人さんが多くて♪
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:36
yakoさん
待つこと一ヶ月って!?
yakoさんたちも歩かれてるじゃないですかぁ^^;
吹雪が好きって言うか、何でしょう
もっと厳しい状況の中で一瞬垣間見えた穂高?
いつも、そんなシーンを期待しています
って、その方が贅沢なのは分かってますが・・・
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:38
dahanさん
いやいや、このコメントよか~
もしかして先週末、白馬ですれ違ってたかもですね!
なんだか、ちょっと嬉しいです^^
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:41
ジオンさん
あ、これはこれは失礼しました~
悪天候の権化のようなジオンさんを前にして
閉ざされた上高地がどうとか、言いすぎました^^;
一度ジオンさんとは、悪天候談義をしたいものですね
って、どこまで言うのぉ~
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:42
ゆなさん
>今週末、上高地通るかもしれません♪楽しみだなーっと

・・・通る?上高地を?通る???
あぁ、もう、いろんな妄想が^^;
ヤマレコ楽しみにしてますね
Commented by slow-trek at 2014-03-19 23:48
katsu♨さん

あぁkatsu♨さま
「神々の山嶺」と記したかったのですが
なんだか、その言葉は聖域で、いつの日のか?まで
大事にしまっておくべきかな、と、はい
そう想った次第です、はい・・・
って、それっていつやねん!
なんてツッコミはナシの方向で、ぜひ、はい
(何のこっちゃ^^;)
Commented by pallet-sorairo at 2014-03-20 09:27
スロトレさん
あ あ あのあの(^^;
「神降地」って私が造語したわけじゃなくて
古に呼ばれていたそれが「上高地」になったとか
どこかで読んだんだと思います(^^;;
Commented by slow-trek at 2014-03-21 00:15
palletさん

・・・・本当だ・・・「神降地」だったんですね

そんなことも知らなかった自分が恥ずかしいのと
やっぱり神がいたんだ、って言う不思議さ
あぁ、山っていいですね
line

山行記録と山にまつわる物語


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