■山行日:2013年11月09日(土)
■山:奥丸山
■目的:冠雪の北アルプス展望
■ルート:
新穂高(06:40)-穂高平小屋(07:40)-白出沢(08:30)-滝谷(10:10)-槍平小屋(11:10-11:20)
奥丸山(12:40-13:00)-槍平小屋(14:10-14:40)-滝谷(15:30)-白出沢(17:00)-新穂高(18:20)
腰の故障からナツヤマは歩いていない今シーズン
10月の焼岳で北アルプスは終わりと決め付けていたが
どうも不完全燃焼の思いが強く残っている
何といえば良いだろう・・・歩きたがっている?そうだ、脚が歩きたがっているのだ
そんな思いを持て余しながら気象情報を眺めていると
どうやらこの週末は最後の秋、次週から北アルプスは完全な冬へと変わりそうだ
さて、じゃ北アルプスの最後の秋に歩こうか
薄っすらと雪を被った北アルプスの頂きたちを独り占めに出来る山
もう一度歩きたいと思っていた山
奥丸山に行こう
6時までには歩き始める予定で新穂高温泉を目指したが、ロスタイムもあり6時40分出発
駐車場は空っぽ、唯一同じ時間に出発したご夫婦はテン泊装備で左又へと消えて行った
蒲田川を挟んでの右又林道、歩くのは2010年夏以来だ
思ったよりも寒さを感じないのは風が無いせいだろうか
少しずつ明けて行く空の色
しん、とした空気の香り
凍て付いた林道
目に入るもの、感じるものすべてが晩秋に染まっている
60分で穂高平小屋だ、夏には、これから槍穂高を目指す者たちの興奮
疲れ果てて下山して来た者たちが引き摺る熱狂の余韻
そんなものが綯交ぜとなって小さな波のような空気が流れている場所も
今あるのは冬を待つ空気だけ
そんな空気の中、白出のコル、南岳、微かに覗く槍の穂先を小屋の屋根越に望んでいると
時を忘れていつまでも佇んでしまいそうになる
所々薄氷が張る足元を、ガツガツと音を立てながら林道を進む
時折り振り返る方向に、笠岳が朝陽に照らされ始めると白出沢だ
2年前の夏、ここからテン泊装備で大キレット縦走へと歩き出した夏の日の朝を想い出す
もう、あの頃のような体力、いや情熱も・・・もう無いかもしれないな
白出谷は相変わらず砂防工事中の様子で、作業者が2台入って来た
さぁ、この沢を抜けると登山道だ、ここからが下界との分岐だ
あぁ、こんなトレイルだったなぁ
大キレットを越えて憧れの槍からの下山、あの日の暑さを想い出しながら、針葉樹の間を進む
いつの間にか笠岳も森に隠れてしまう、もう北アルプス穂高連峰の直下なのだ
視界が大きく広がると滝谷だ
北穂高岳から涸沢岳の飛騨側に切れ落ちた大岩壁、その急峻さ故「鳥も通わぬ」と・・・
雄滝とドームを睨みながら、何故か足早になってしまう
滝谷を過ぎると、足元は岩で固まりステップがあるが、急登が続き汗をかく
大きなガレ場は、きっと南沢だな?とすると、もう槍平は近いはずだ
朝の美しい秋晴れの空が、少しずつ曇り始め、気は焦り始めるが、逆に脚は重い
CT+30分で槍平だ
今の自分にとっては良く出来たタイムだろう
さぁどうしよう?今からピストンだと、ここには14時?ってことはだ、下山はヘッ電か?
なぁんて悩むフリをするけれど、ここで帰れるワケないじゃないか
10分ほど休憩をとると、小屋の裏手に回り込み、涸れた河原を渡ると槍平神社の祠
ここからが今日の目的のピーク、2440mの奥丸山への取り付きだ
アルミハシゴから尾根に取り付くと、直ぐに急登の始まりとなる
トレイルは薄らと雪が付き、時折り大きく崩れた崖際を回り込み、何度か危険を覚える
こんなところで滑ると来年の春まで誰も見つけてくれないぞ
九十九折れの急登、したたる汗を拭いながらふと振り返る
そこには鈍く輝く滝谷ドームの姿、その大きさと恐ろしさに、ただただ圧倒される見上げれば見上げるほど、こんな時期に、こんな尾根に一人取り付いてる自分が頼りなく
その心細さに引き返したくなってしまい、ふいに襲ってくる孤独と向き合う
さぁ、夏を取り戻したいんだろ?歩き足りないんだろ?もっともっと近付きたいんだろ?
自分を鼓舞しながら歩き始める
立ち止まっては南岳を振り返り、座り込んでは空を見上げ、やっと中崎尾根に乗る
積雪の細尾根は、まるで空へと続くかのよう
そしてピーク
自分独り、他には誰も居ない北アルプス
目の前には槍、そして大キレットから北穂高
西方向を振り返ると、曇り空とガス、笠から双六岳への稜線は薄れてる
もう少し早く登頂していたら、もっと素晴らしい展望が・・・いや、それは贅沢だろう
だって信じられるかい?夏には三か月間もの安静生活、電車にも乗れなかったオレが
今こうして11月の北アルプスの真ん中に立っているなんて
何だかオレ、もう大丈夫かもな
そんな気がして来たよ
少しの時間に、たっぷりと北アルプスを感じ
そして・・・そして自信を取り戻すことが出来た気がした
誰もいないオフシーズンの北アルプス
深い孤独さえ切なく想えて、それだけを求めて歩いていた頃を想い出した
まだまだ行けるさ、まだまだ歩けるさ
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pallet-sorairo at 2013-11-27 11:22
スロトレさんの山、素敵です。
>見上げれば見上げるほど、こんな時期に、こんな尾根に一人取り付いてる自分が頼りなく
>その心細さに引き返したくなってしまい、ふいに襲ってくる孤独と向き合う
拝見するたびに、自分もこんな山やりたかったなぁと思います。
もう、完全に復調なさったようですね。
これからも素敵な山旅、魅せてください。
>見上げれば見上げるほど、こんな時期に、こんな尾根に一人取り付いてる自分が頼りなく
>その心細さに引き返したくなってしまい、ふいに襲ってくる孤独と向き合う
拝見するたびに、自分もこんな山やりたかったなぁと思います。
もう、完全に復調なさったようですね。
これからも素敵な山旅、魅せてください。
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Chika
at 2013-11-27 19:12
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ジオン
at 2013-11-27 23:02
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slow-trek at 2013-11-28 23:15
palletさん
>拝見するたびに、自分もこんな山やりたかったなぁと思います。
palletさんも、ご自分なりのスタイル持ってらっしゃるじゃないですか^^
それが一番だと思いますです、はい
>もう、完全に復調なさったようですね。
下山後は、いろいろ大変なのですが、こうして歩けるようには
なりました、ありがとうございます!
>拝見するたびに、自分もこんな山やりたかったなぁと思います。
palletさんも、ご自分なりのスタイル持ってらっしゃるじゃないですか^^
それが一番だと思いますです、はい
>もう、完全に復調なさったようですね。
下山後は、いろいろ大変なのですが、こうして歩けるようには
なりました、ありがとうございます!
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slow-trek at 2013-11-28 23:19
Chikaさん
あらら、Shigeo兄さん弱気に?そりゃもっと攻めないと!
って攻めてどうするって?^^;
お互いまだまだ、歩きましょう
ありがとうです!
あ、奥丸山は槍の帰りに寄ってくださいね!本当なら笠から
双六、三俣、ずーっと見えますから、この日はガスでしたけど
最高のお山ですよ^^
あらら、Shigeo兄さん弱気に?そりゃもっと攻めないと!
って攻めてどうするって?^^;
お互いまだまだ、歩きましょう
ありがとうです!
あ、奥丸山は槍の帰りに寄ってくださいね!本当なら笠から
双六、三俣、ずーっと見えますから、この日はガスでしたけど
最高のお山ですよ^^
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slow-trek at 2013-11-28 23:21
ジオンさん
>こんな寂しいくらいのアルプス良いですね~。
でしょ?この季節、いいですよ
寒すぎず、脚はサクサク動くし、人は居ないし
ジオンさんだったら槍の日帰りも行けますよ^^
ソリ大会必ずしましょうね♪
>こんな寂しいくらいのアルプス良いですね~。
でしょ?この季節、いいですよ
寒すぎず、脚はサクサク動くし、人は居ないし
ジオンさんだったら槍の日帰りも行けますよ^^
ソリ大会必ずしましょうね♪
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ゆな
at 2013-12-04 21:01
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slow-trek at 2013-12-07 00:24
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ikakan at 2013-12-13 10:37
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slow-trek at 2013-12-14 22:13
ikakanさん
まぁ、、、その、、、好きって言うか
山歩けないと、どうなの?ってなカンジなもので^^;
ちょっとムリもしてますよ、はい
美しいでしょ~、登りたくなるでしょ~^^
コメントありがというございます
まぁ、、、その、、、好きって言うか
山歩けないと、どうなの?ってなカンジなもので^^;
ちょっとムリもしてますよ、はい
美しいでしょ~、登りたくなるでしょ~^^
コメントありがというございます
by slow-trek
| 2013-11-27 08:03
| 北アルプス
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Comments(10)