荒野にて

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北八ッ散歩 初秋のにゅう

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■山行日:2013年09月21日(土)
■山:にゅう
■目的:散歩
■ルート:駐車場(09:45)-青苔荘(10:10)-にゅう(12:00-13:20)-白駒荘(14:45-15:05)-駐車場(15:25)

腰の故障で山は自粛中
通院先の怖い女医の「そろそろ痛みを覚えない範囲で動きなさい」と言うアドヴァイスに従い
ちょっと散歩がてら歩くことにした、行先は北八ッ、白駒池周辺の散策だ
初秋の色付き始めた湖畔を一人、ゆるりと歩くのもいいじゃないか

何の予定も無い三連休の初日、5時に起きてお弁当を詰めると
秋の雲が流れる上信越自動車道を駈けた




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麦草峠の白駒池駐車場まで2時間半、久しぶりのドライブと寝不足で、到着後は
60分も車で寝てしまう、こんな素晴らしい秋空の下、北八ッの麓で贅沢な朝寝
おかげで頭もすっきりで歩き始める

道路を渡るとすぐに深い森の中だ、背の高い針葉樹、足元には苔
テン泊装備の山屋からスカート姿の観光客まで、いろんなスタイルが木漏れ日の中を歩く

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15分ほどで白駒池のはずが、今日の私はスロー散歩、白駒池まで25分もかかった
秋空に碧く輝く湖面は、ここが標高2100を超えているとは思えない広さ

湖畔に沿って歩けるものと思っていたが、周遊路は森の中を歩く

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針葉樹の香りを胸いっぱいに吸い込んで、秋空からの木漏れ日を浴びて歩く

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周遊路が再び湖畔に沿うと、すぐに分岐、左に逸れると「にゅう」だ

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木道の隅っこにザックを降ろして地図を眺める
今、自分の立つ湖畔が2100だ「にゅう」って2,351?・・・たった標高250だけなの?

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痛んだり、辛いと思えばそこで戻ればいいさ、たった250だもの
自分に言い聞かせながら、スロー散歩は森の奥へと

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白駒湿原辺りで休憩しているグループ、後続のグループと、ちょっと賑やかになるが
全体としては人気の少ない印象だ、初秋の三連休、山屋たちはどこへ行ったのだろう?

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トレイルはいつの間にか木道が消え、コロコロとした岩が目立つ

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このエリアの登山記事でよく見かけるように、「にゅう」「にう」「ニュー」と
様々な表記の案内が立っている、しかし「ニュー中山」って・・・せめて間に「・」入れようよ

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この分岐からトレイルはやっと登山道っぽく登り始めるが
地図で確認した通り、ゆるやかに詰めて行くと、あっけなく樹林が途切れ空が広がる

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目の前には秋空に浮かぶ天狗岳

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なんだ、こんなに簡単に来れたよ
今日は散歩だもんな、たった標高250だもん

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ストックに頼りながら岩によじ登り、あらためて天狗岳を望む
西峰は緑色に覆われた青天狗、東峰は溶岩の山肌で赤天狗と呼ばれる
残念ながら、その裾野越に見えるはずの富士山は、雲に隠れている

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北側は原生林に囲まれた白駒池と茶臼山と縞枯山
その向うに蓼科山、三岳、大岳が並ぶ
よく見ると北アルプスも雲の上に浮いている、槍を中心にキレットから穂高のシルエットがくっきりだ

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北八ッの深い森を見下ろしていると、缶ビールのほろ酔いが、ふと記憶を擽り、言葉が蘇る

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「さまよい・・・そんな言葉がいちばんぴったりするのが、この北八ヶ岳だ」

ドラマティックなエピソードも無く、初恋だの友情だの、そんな言葉も出て来ない
ただ昭和の若者たちが、まだ登山者も少なかった北八ッの森を、湖畔を、自由に闊歩し
その姿を自ら謳った山口耀久の随筆「北八ッ彷徨」それが何故か胸に残っていて蘇って来る

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「秋は終わった。何といういさぎよい凄まじい訣れ。私はひとり取り残されたような気がした
 帰るべき日に帰らなかった自分たちの旅のおわりがひどくぶざまなものに思われた」

ずっと胸に残ってる、目の前で季節が終わり、山旅も同時に終わる、その瞬間の描写
あれはどこだったっけ?双子池だ、地図で確認するけれど、ここからは見えないな

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久々の青空と山の空気に、気付くと90分近くも記憶の彷徨に浸っていた、さぁそろそろ下山だ
中山峠は、いつかに置いておこう、白駒池までピストンだ、スローに歩こう

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のろのろと池まで戻ると、湖面の青は、午前中よりも深くなり
北八ッを覆う秋空の青と、その境が分からないほどだ

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白駒荘のテーブルで、どんどん青が濃くなって行く湖を眺めながらコーヒーを頂く
湖畔のナナカマドが赤く色づいて、午前よりも秋がもっと濃くなった気がする

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隣のベンチで白駒池の絵を描いていた初老の女性が、独り言のように小さく呟く

「来週末は真っ赤になってますよ、そうなると冬はすぐそこですね」

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黄金色に色付く針葉樹林、その周りを赤く彩るナナカマド、そして湖の深く濃い青
そんな風に彩られた北八ッを想いうかべると、何故か深い寂寥感に包まれた

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また来よう、この森を彷徨い歩こう
いつの日にか、双子池で秋の終わる瞬間を
ひとり取り残されたような寂しさを感じる山旅に来よう
by slow-trek | 2013-09-27 00:33 | 関東甲信越[八ヶ岳連峰] | Trackback | Comments(6)
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Commented by pallet at 2013-09-27 09:08 x
北八ツはいつ行っても静かに優しく迎えてくれますね。
すてきなレポ…いいお散歩でしたね。
お大事に。
Commented by ジオン at 2013-09-27 19:44 x
再開出来るくらいに、回復されて良かったですね。
月並みですが、、良かったです。
お天気も微笑んでくれましたね。

いつも通りの山メシに、、ごっくんです。
ラガーの秋バージョンも素敵です。(^-^)V
Commented by dahan at 2013-09-27 23:24 x
うわー!いつ見ても美味しそうな曲げわっぱ!!
なんか深仙ノ宿で一緒に弁当食べたのを思い出しましたヨ。^^
初秋の八ツもいいなあ。「北八ッ彷徨」おいらもハードカバー持ってます。^^;
でもあんまり無理せんといてくださいや。
Commented by slow-trek at 2013-09-28 23:20
palletさん
北八ツは初めてだったのですが、この静けさには惹き込まれました
みなさん、北八ツには思い入れがある理由が分かった気がします
また必ず行きますね♪
Commented by slow-trek at 2013-09-28 23:21
ジオンさん
再会・・・には、至ってないですね
ほんと、にゅうなんて散歩がてら行けますから、なのにね
めっちゃ、へっぴり腰で、そろりそろり(涙)
ま、そのうちね!どうもありがとう^^
Commented by slow-trek at 2013-09-28 23:23
dahanさん
お!「北八ッ彷徨」持ってますか、さすが文学青年^^
たまに読み返したいものですね
そういや、深仙ノ宿で一緒にご飯食べたよねー
なんだか、ずいぶん昔のような気が・・・^^;
どうもありがとう
line

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