荒野にて

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花咲く湿原 田代山

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■山行日:2013年07月13日(土)
■山:福島県:田代山
■目的:高層湿原
■ルート:猿倉登山口(09:45)-小田代(10:55)-田代(11:30-14:30)-猿倉登山口(15:40)

海の日三連休は遥か南の海上を荒らしている台風の影響でどこもかしこも不安定
さて、どうしたものか
そうだ、あそこ行こ、あそこだ、残雪の頃から狙ってた高層湿原だ
私の大好きな湿原なら、不安定な空模様でも楽しめるだろう
小雨に煙る雪解けの湿原に咲く花が迎えてくれるだろう

今にも降り出しそうな空の下、一人南会津に向かった




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会津高原鉄道を横目に見ながらのロングドライブ、R352から湯の花温泉に分岐すると
春に歩いた燧に向かう桧枝岐村と似た、何とものどかで懐かしい風景となる
そんな山村の風景も、集落が途切れる頃にはどんどん道が狭くなり、ついにはダート林道となる
この林道、11キロのガタガタ道は、一週間の疲れと寝不足のカラダには厳しかった

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林道終点には、清潔なトイレと駐車場、その200Mほど奥の登山口前にも駐車スペースがある
登山口前に止めて用意をして出発
すると、登山口前に立つ二人のおじさんに声をかけられる、彼らによると、自然保護のために
なるべくストックは使わないでほしいとのこと

「ストック使うような山じゃないしなぁ」

自然保護は分かるけど、この一言は違う。ストックの必要性はその山の難易度とは関係ないよ
ストックは、登山者のスキルと体力をカバーするものだから・・・なんて、議論する気も無く
はいはいと応じてストックをザックに納めると、おじさんは、にこりと笑って
大事そうに四つ折りにされたリーフレットを一枚くれた

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「この人のぉ手作りだからぁ、読んであげて下さいねぇ、あぁ湿原は一方通行だからぁ」

誇らしげに相棒を紹介する顔には年甲斐も無く無邪気ささえ浮かんでいる
こんな風な地元の人の「おらが山を守るのだ」的な想いには勝てないよ、おじさん、ありがとね

沢沿いの九十九折れをぐいぐいと登り詰めると、40分くらいで後方に日光連山が望める
位置と、なんとなくの形でそうだとは分かるが、影のひとつひとつがどの山なのかは分からない
まだまだ北関東はアウェーだな

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日光連山を振り返りながら先を行くと、木道が現れる
足元にはシメシャクナゲ、ゴゼンタチバナが揺れる
そして木道の先、突然視界が広がると、湿原だった
ここは小田代(こたしろ)、目的の田代湿原は目の前の斜面の上だ

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小さな湿原を背に、斜面を詰めて行くと、視界いっぱいにキスゲが広がる
ここまでのキスゲの群生は見たことが無い
小雨ではあるが、遮るもののない高層湿原、風で全身が濡れる前にレインスーツを着込む

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登山口のおじさんの言葉通り、一方通行の矢印に従って木道を歩き出す
一瞬ガスが途切れ、残雪の山塊が現れたかと思うとすぐ消える

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ん?目の錯覚か?なんだあの残雪の山は?幻覚?まさか・・・
と、おじさんにもらったリーフレットを広げると
弘法池の向こうには会津駒ヶ岳が望めるとある、あの一瞬の残雪は会津駒だったのだ

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会津駒がもう一度現れないかと立ち尽くすが湿原は霧に煙るだけ

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木道は弘法池から左に折れる、その木道沿いはまるで雨に光る高山植物園

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きらきら、きらきらと花たちが光る、揺れる、笑う

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雨は止まないけれど、コツコツと歩いていると自然に笑みが浮かんでしまう

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帝釈山へのルートは樹林へと入る、すると高層湿原には似つかわしくないタテモノ
何とご立派なトイレだろうか

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そして、これまた立派な非難小屋、弘法大師堂だ
お堂の中にはゴザが敷かれていて、靴を脱いで入室するスタイル

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寒さに震えながら、お手製の牛丼弁当を頂くとなんだか急に全身がぐったりしてることに気付く
そりゃ今週も疲れてるもんな
今朝も4時起きだったし、なんてゴザに寝っ転がってる内に、うとうとと昼寝

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20分も寝てしまい、頭もすっきりするとさぁ帰ろう
小屋もトイレも、隅々まで清掃され、ちょっとした心遣いが随所にあって
このお山は、南会津の地元の人たちに愛されてることが伺える
お堂にある賽銭箱に小銭を投げて、素敵な小屋にありがとう

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広くフラットなテーブル状の山頂は
小雨に輝く花たちのおしゃべりが聞こえて来そう

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最後まで手を振りながら見送ってくれるチングルマの果穂たちにありがとう


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いつものように思いつきでやって来た山は、花の湿原だった
疲れたカラダに福島へのロングドライブはキツかったけれど
小雨に濡れながらも笑ってるような姿の花たちに癒されて

南会津の人たちに、素敵な山をありがとう

 
by slow-trek | 2013-08-03 20:05 | 東北[南会津・尾瀬] | Trackback | Comments(4)
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Commented by pallet-sorairo at 2013-08-03 23:16
こんばんは
秋には満天の星空を見に!ですね。
Commented by slow-trek at 2013-08-04 23:23
palletさん
はいはい、palletさんも見上げた素晴らしい星空
あの避難小屋にシュラフだけ持ってって
草紅葉の湿原で星を・・・今から楽しみです^^
Commented by GRI at 2013-08-21 09:54 x
スロトレさん、いつも楽しく拝見させて頂いています。
6月末、私もここを訪れました。花いっぱい、特にワタスゲが凄かったです。
実は私、南会津ファンでして・・・ 是非奥様とまた訪れてくださいね!
あ、「夫婦山行」のファンでもありますので (^。^)
Commented by slow-trek at 2013-08-22 23:11
GRIさま
ブログ拝見しました
いやー、やはり晴れた日は最高ですね!なんと言っても
青空の向こうに残雪の山が望めるのは素晴らしい
ワタスゲも雨に濡れてるより輝いて見えてますよね
それに、菜華楼?これはメモメモ(笑)ぜひ次回は!
コメントありがとうございます
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