荒野にて

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静かなる山旅 秋の徳本峠 (前)

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■山行日:2012年10月12日(金)-13日(土)
■山:霞沢岳
■目的:秋の徳本峠越え
■ルート:二俣(07:50)-岩魚留小屋(10:20)-徳本峠(13:20)
      徳本峠(05:40)-霞沢岳(09:30)-徳本峠(13:00-13:30)-上高地(15:50)
 

「徳本峠を歩かなくて、なにが北アルプスか」


  そんなコース、歳とってからで充分だって思ってるだろ?
  今歩け、今。でな?オレみたいに、じじぃになってから
  も一回歩くんだ、そーすっとな、樹だの森だの道だのってはよ
  変わってるわな?でもな、峠からどーんって現れる穂高
  あの穂高だけは、なーんにも変わらんさ、その変わらん姿をな
  見るためにはだ、お兄さん、今歩け、今

昨年の秋のこと。本谷右俣から黄金平、そして槍を回って情念を踏む
そんなプランをソロで歩いた山旅三日目の夜、常念小屋でたまたま夕食を同席した
焼酒で酔っぱらったじぃさんに熱く熱く語られたのが忘れられなくて

あのじぃさん、この秋も一人で歩いてるだろうか
さて
季節は秋、ちょうどいいじゃないか
クラッシックルートを一人、小さな秋を楽しみながら歩こう
 



 
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島々の取り付きは林道からだ
国道158号にある徳本峠の案内板から川沿いに、林道ゲートまで1キロ弱
広い駐車場にはすでに5台ほどの車がある
準備をして歩き始めると、工事関係者の車両がゲートで止まった

「乗ってくかい?普段なら乗せないけど、工事の者に頭下げる人は珍しいからさ」

この駐車場から林道終点の二俣までは少なくとも1時間以上かかる
それがカットできるのだ、お礼と共に車に乗り込んだ
荒れた林道、車はガタガタ揺れて会話も大変だけど、やはり山好きだったその方と
最近歩いた山のこと、松本地方の学校登山の話、島々谷にある一面苔の森のこと等々
話し込んでいたら、あっと言う間に終点の二俣だ

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お礼を告げて歩き始める
地図で確認した通り、沢沿いのトレイルは緩やかだ
まだ朝陽が差し込まない島々谷には、うっすらと冷気

一つ目の橋「行き橋」で左岸にわたる
このトレイルは、何本かの橋で渡渉を重ねながら進む

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二つ目の橋「戻り橋」で右岸に戻ると、炭焼き窯跡がある
その辺りは一面の苔むす斜面、工事の方が言っていた通りだ

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歴史ある、古の道
もっと寂れた感を想像していたが、今も、一昨年の大雨で崩れた登山道の補修が
数か所で行われていて、整備が行き届いている

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「地元の人はこの峠道を大切にしてるからさ、少ない予算でも補修するよ」

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乗せて頂いた工事の方が車の中で話していたことを思い出す

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いくつめかの橋を渡ると岩魚留小屋だ、いつの頃まで営業していたのだろうか
その寂れた小屋で徳本峠までは半分を過ぎた
そして中の沢から紅葉が始まると、それは峠までの九十九折の始まりだ

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九十九折の途中、急登に苦戦し始めた頃、トレイル脇に水場が現れる
この力水と呼ばれる水をプラティパスに採るために小休止する
徳本峠小屋はいつも水不足だから、ここで水を採って持参しよう、と
そんなテキストが山ブログで散見されるのも、小屋の暖かなファンが多い証拠だろう

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力水を過ぎると、汗が滴る
でも、もう峠が近づくのが分かる
さて、穂高はどんな姿を見せてくれるのだろうか

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5時間30分で徳本峠
先ずは小屋が見える、一昨年改装された棟と旧棟と、なんとも可愛らしい小屋だ

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そして小屋から数歩、峠を越える

穂高だ

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雲がかかってるところがジャンダルムだろう
ザックも降ろさず1年ぶりの穂高に魅せられて佇む

じぃさん、本当だ
峠からの穂高、こんなにも気高い姿で迎えてくれるんだ
じぃさん、今度どこかの山小屋で逢ったら焼酒おごるよ

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しばし穂高を望むと、その足でテン場の受付に小屋へ向かう
「水は持って来ましたか?」と小屋主の方に問われる

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もちろん力水を担いで上がったこと、そしてネットでもそうするように書かれていると話すと
とても嬉しそうな表情で「ありがたいなぁ、嬉しいなぁ」と何度も頷かれた

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テントを設営すると、先ずは缶ビアで乾杯

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徐々に埋まりつつあるテン場、それでも喧噪が聞こえない

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やはり、ここに来られる登山者は皆、静けさを楽しむことを知るオトナなのだ

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焼き鳥を肴に熱燗
目の前には穂高
静かなテン場
静かな時間

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さぁ
明日のトレイルから望む穂高を夢見て寝よう
静けさに包まれて、星の下で眠ろう
by slow-trek | 2012-11-09 23:24 | 北アルプス | Trackback | Comments(2)
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Commented by ジオン at 2012-11-10 22:49 x
良い展望でしたね。
徳本峠は前に、上高地から行きましたが、
ジャンクションピークも、無理な時間でしたので
蝶が岳方面に少し歩いて、槍を見て、戻りました。
霞沢岳は未踏です。
レポ続きが楽しみです。
Commented by slow-trek at 2012-11-11 22:05
ジオンさん
ジャンクションピークまでもムリな時間???
それは遅過ぎたのですね
でも、JPだけ踏んでもどうかなぁ、ってところですね
後半、、、、期待されるとつらいのですが^^;
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