荒野にて

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憧れ双耳峰 谷川岳

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上州の山デビューは赤城山だった、その黒桧山から望んだ憧れピーク、谷川岳
遠くに白く輝く峰を眺めながら決めた
雪の残っている間に踏むぞ、あの二つのピークを踏むぞと決めた

■山行日:2012年04月08日(日)
■山:谷川岳
■目的:憧れのピーク
■ルート:登山口(09:30)-天神尾根(09:55)-トマの耳P1963(12:00)
     オキの耳P1977(12:15)-肩の小屋(12:40-13:05)-登山口(14:25)

山行前日の土曜日、北関東はせっかく開花したサクラも凍えるほどの花冷え
なんだか悪い予感を抱きながら高速道路から降りると案の定
ベースプラザへと通じる道路は凍結+積雪だ
こちらでの愛車、上州号は4WDではあるが、ノーマルタイヤなのだ
さぁて、どうする?よし、途中にあった湯檜曽駅駅から電車で土合まで行こう
と、湯檜曽駅まで戻って準備をしていると、同じようなスタイルの男性ペアから
あと15分でベースプラザまでの路線バスがあるとの情報を得て便乗した




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そんなロスもあり、08時00分発の予定はきっかり90分オーバー
ただでさえ慣れないバスは満席で、立ったままだったので軽いクルマ酔いで歩き始める
ちょいと足元はフラつくが、ゲレンデに出るとそんなものは吹き飛ぶ
白銀のゲレンデ、手が届きそうなところに流れる雲が早く来いと呼ぶ

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ゲレンデの一番端っこ、ロープで区切られたエリア外、もう融け始めているステップを踏み出す
一歩一歩のろのろ進む私を後方からのハイカーたちはどんどん抜いて行く
あれ?オレってこんなノロかったっけ?と、上州へ転勤してからのクルマ通勤による運動不足に嘆く
振り返ると白毛門、朝日岳

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天神尾根に乗っかるまで30分!たったこれだけの距離なのに!?
オレ、大丈夫?ピーク踏めないかもな・・・と早くも諦めモードだったけれど
天神尾根からの展望、武尊山、反対の浅間山、足元に広がる榛名
そんな素晴らしい光景に、勝手に脚が進み始める
さ、ここからは尾根通しだ

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山スキーヤーたちに挟まれて、追いつ抜かれつしながら尾根を進む
確か避難小屋があったはずだが姿は見えない
と、膝下くらいの赤い支柱が立つ場所に数名のハイカーが腰を下ろしている
なるほど、小屋は完全に雪の下なんだ

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小屋を過ぎると、なんとか岩とかがあったっけ
マップを出す手間ももどかしく、雪の斜面を踏み続ける
ここまで来るとカラダが歩くことを思い出したのか、尾根に上がるまでのノロさは消える
いくらでも前を行くハイカーを抜いて行けそうな、そんな気すらしてくる

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だって、谷川岳だぞ?それも雪の谷川岳だ
こんなところ自分が歩けるなんて、これまで想像さえしたことがなかったのだ

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急にエンジンかかったみたいに早くなりましたね
もう、あの雪庇が見え始めたらすぐですよ

前後しながら歩いてた若きスノーボーダーが励ましてくれるが
最後の直登のキツさに、全身が悲鳴を上げて返事もろくに出来ない

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やっとフラットになり始めたところから左手に逸れるトレースを追うと、ついに肩の小屋だ
一息いれたいところだけど、今ここで座り込むとピークを踏めなくなりそうだ

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ここまで、前日の寒さはどこへ行ったのかと思えるほどの陽気だったのに
風が突然冷たくなる
足元には風紋が広がる
最後の直登で全身から流れ出た汗が、突然の冷たい風に凍えそうになる
指先の感覚がなくなるほど冷たくなる

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2時間30分、ひとつめのピーク、トマの耳
風が止まる、空を仰ぐ
青い、冷たい、白い、危ない、そして、そして美しい

あぁ谷川岳

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雪庇が尖ってる
さぁ、次のピークだ

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トマの耳からの細尾根、ここはピッケル無しでは歩けない
凍る岩を蹴って、しがみ付いて進む
カリカリカリ、ピッケルが氷をひっかく音

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細尾根を伝ってオキの耳
これで両耳制覇、雪の谷川岳を歩いたのだ

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眺めるはずもなかった上越国境の山たち
そこだけ白く浮いている浅間山

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この感動は誰に、どうやって伝えたらいいいのだろう?
強風で言葉は風に飛ばされ、お互い仕草だけで撮影しあった見知らぬソロ男性
お互いサングラスとフェイスマスク、表情は見えない、でもこみ上げる笑顔は分かる
今日のこのとき、このピークに立てた喜びを二人無言で頷くだけで讃えあう

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その彼が突然驚いた仕草で指をさす
振り返って指さす方向・・・、トマ耳の雪庇だ
なんて姿だろう、まるでナイフで抉り取られたような

自然の驚異と美しさ、あの雪庇の上に戻ろう

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肩の小屋まで戻ると腰を下ろす
谷川岳、踏んだぞ
小さな声で
乾杯

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下山は雪もクサり始め、シャーベットな斜面は、アイゼンのまま倒れ転げる登山者がいっぱい
ここはなめてはいけない、慎重に下らなければ
なんて、へっぴり腰で下る横を、尻セードで滑走する山ガールたち

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その嬌声がなんとも可愛らしく
そして、その若さが羨ましく
一人笑いながら下った


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2000Mに満たない谷川岳に降り積もった春の雪
そして透き通った青空
この谷川岳デビューは忘れないだろう
一度歩いただけで大好きになったこの山、これからルートを変え季節を変え
何度歩くことになるになるのだろう・・・
なんて、すでに新潟側への縦走も企んだりする今日この頃である


.
by slow-trek | 2012-05-17 23:13 | 関東甲信越[越後・妙高域] | Trackback | Comments(12)
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Commented by Chika at 2012-05-18 10:43 x
あぁ、、昨年クリスマス連休に予定しててお天気予報に負けて諦めた、憧れの谷川岳様・・・
やっぱりステキっす!!
絶対行くぞぉ!!!!

あ、紹介遅れました。
コチラへは初めての大阪のChikaです。
ちょっと山かじってます。
最近あまり登ってないのでデブってます。
どうぞお見知りおきを^^;
Commented by たかっさん at 2012-05-18 22:53 x
谷川岳、トマ耳の雪庇・・・惚れてしまいましたがな~
そのうち行くからネ!
Commented by うずみん at 2012-05-19 06:47 x
こんな山に日帰りで行けるなんて~うらやましすぎるわ!
日記に単身赴任とかラーメンとかカテゴリーがありますね。
あとでゆっくり読もう♪
Commented by “すぎちゃん” at 2012-05-20 07:45 x
「この感動は誰に、どうやって伝えたらいいいのだろう?」
って直ぐに関西へその気持ちをお伝えしていただける現在がありがたいですよねー!
流石は谷川岳、垂直とも言える断崖にせり出した雪庇が恐ろしく美しいです。
夏になればコチラからですって?
Commented by 山童子 at 2012-05-20 23:50 x
とうとう行きましたね。うらやましいです。
標高は紀伊半島の山と変わらないのに、全然別もんですもんね。
特に一ノ倉出合から眺める国境稜線。
圧倒されますよ!
残雪期の東尾根ぐらいなら行ってみたいけど、関西からはあまりに遠い。
これからのレポ、期待してます!
Commented by 橿原 太郎 at 2012-05-21 21:58 x
いいですね。やっぱり関西の山とは違いますね。
「谷川岳」なんてワードは私にとって新田次郎の小説家か山雑誌の世界です。

あっ、ザックはケストレルでしたか?38ですかね?
色違いで私とおそろなのでちょっと嬉しくなりました。

Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:27
Chikaさん
これはこれは、関西を代表する山バカご夫妻のChikaさん♪
去年のクリスマス、はいはい覚えてますとも
ま、いくらChikaさんShigeo兄さんでも、天候にはね
きっとナツヤマなんて興味ないでしょから
次シーズンはぜひともね!
あ、こられる際は一声おかけください
何も出ませんけど^^;
Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:28
たかっさん
>そのうち行くからネ!
ナツヤマでね
あ、こられる際は一声おかけください
何も出ませんけど^^;
(しつこい)
Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:30
うずみんさん
>こんな山に日帰りで行けるなんて~うらやましすぎるわ!
まぁねぇ、でもね、2時間もかかるんですよね
はい?もーえーっちゅうねんて?失礼しました
あ、ブログは落書きなので期待しないでくださいね^^
Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:31
すぎちゃん
たしかに、こうして記事でUPすると誰かには伝わりはするのですが
その瞬間に一人ってのが、なんだかもどかしくて
でも、それもいいのですが(どないやねん?)
Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:34
>山童子
そですよね、2000にも満たないのですから、不思議です
>特に一ノ倉出合から眺める国境稜線
山童子さん、一ノ倉を押しまくりですね^^
はい、ぜひとも!また乗せられてみますね~
>これからのレポ、期待してます!
ありがとうございます
Commented by slow-trek at 2012-05-21 23:35
>橿原 太郎さん
そーなんですよね、私もほんの数か月前までは
谷川岳なんて、長野?新潟?どっち?みたいな
遠い存在でしたからね
ザックはね、28Lです、これくらいが使い勝手が良くて
38Lになると小屋泊ですね
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